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May先生

世にも美しい翡翠色のグリーンカレーが自分で作れるようになるレッスン。

タイ料理にはまるきっかけとなった2教室。

ただいま2023年4月、私がタイ料理と出会い、本格的に習い始めて4年半になろうとしています。きっかけを作ってくれた教室はこちら、

タイ料理教室diidiiでしたが、そちらで知り合った方から教えていただいて通うようになったのが長澤先生のタイ料理教室です。

ちょうど4年前、そのMay先生の教室でタイ料理の定番、グリーンカレーの作り方を習ったのですが、私がそれまで作ってきたものとは次元が違う。むしろモノが違う。驚愕と感動の嵐だったレッスンを4年ぶりに振り返りたいと思います。

グリーンカレーに入るタイの茄子2種。

こちら、タイの丸茄子「マクアポ(มะเขือเปราะ)」です。

そして一見ブドウ?緑のプチトマト?と思ったこちらが先日ご紹介したばかりのすずめなす。

南国タイは野菜の種類がとても豊富で、数十種類もの茄子が一年を通して出回っているそう。それからもっと驚いたのは先にご紹介したマクアポが生食可だということ。後々それも体験することになるわけですが、茄子一つとってもこんなに違うんだなということを感じました。

グリーンカレーを翡翠色に仕上げる作り方。

こちら、一部ですがグリーンカレーの材料です。他にココナッツミルクと鶏肉、バイホーラパーなるタイハーブが入ります。

こちら、タイ料理を知らない方が見たら何かわからないと思いますが、ココナッツミルクです。


使うのはこのアロイティーの250mlサイズです。さらに重要なのは「缶」ではなく「紙パック」タイプを使うということ。その理由はこちらをご覧ください。

ざっくりいうと、この紙パック、冷蔵庫で冷やしておくと油分と水分に分離し、油分ががっちり固形化します。それが先の写真です。その固まった油脂を鍋に入れ、完全に油状になるまで炒めるのです。

その後、その油カレーペーストと肉を炒め、ココナッツミルクの残り(水分)を鍋に入れて沸騰したら野菜を煮て、

火を止める直前にこちらのタイハーブ、ホーラパーを加えたら…

世にも美しい翡翠色のグリーンカレー、完成です!

器に盛り付けてもいとをかし。

子供もおばさん(=私)も大好き!カイヤッサイもこの時習っていたらしいです。

個人的にはお弁当のおかずとしてよく作るタイ式オムレツのカイヤッサイ。yukko先生とター先生に習った記憶はしっかりあったのですが、May先生にも習っていたことを、この記事を書いていて知りました。気づきました。レシピ持ってた!

習ったお料理は全部覚えているつもりでしたが、全然ダメだということが本日判明いたしました。もう一回レシピファイルを見直さなければ。

黄豆のデザートも作ったよ。

こちら、タイの黄豆です。インド料理を作る方は「ムングダル」と言えばおわかりいただけるかと思います。この黄豆を使った日本のぜんざいのような「タオスワン/เต้าส่วน」というデザートがあるのですが、それもこのレッスンで作りました。

蒸して煮て、となかなかの手間です。

タピオカ粉とくず粉でつけたとろみは、片栗粉のそれとはまた食感が異なり、ふわふわ滑らか。

この上からかける塩味のココナッツミルクによって豆の甘みが際立ち、これをかけることによって一気にタイらしいデザートになります。

こちらで、作り方を写真付きで非常にわかりやすく説明していますので、よろしければご覧くださいませ。

「熱しやすく冷めやすい」私が未だその熱冷めることなく、もうすでに4年半です。それというのも、タイ料理とタイの魅力を余すところなく伝えてくださる先生方のおかげです。これからもおいしいタイ料理を学び、探究していくぞ!

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7)スイーツ・ドリンク

カノムチャンバイトゥーイ(ขนมชั้นใบเตย)

「カノムチャン」は縁起を担いで9層にしよう!

「カノム」はタイ語で「お菓子」、「チャン」は「層、階段」を意味します。タイ料理はお菓子であっても見た目や使われている食材、調理法がそのまま名前になっていることが多くて助かります。

今回のカノムチャンは9層になっていますが、 タイでは「9」は「ガーオ」と言い、発音の似た単語「ガオナー(前進・進展)」を連想させ、縁起の良い数字だとされているんですって。ということでの9層です。

名前の後半の「バイトゥーイ」は「パンダンの葉」。 この葉っぱ、スリランカ料理でも「ランぺ」という名でしばしば登場するのですが、東南アジア諸国ではこの葉の持つ甘く芳醇な香りが重宝され、お料理の香り付けとして用いられているようです。タイ料理に関して言うと、香りだけではなくこの葉の持つ美しい緑色をお菓子作りの際に生かします。

まずはパンダンリーフの色と香りをエキスにしましょ。

「パンダンリーフ」って簡単に言うものの、普通は見ないですよね、こんな葉っぱ。私もタイ食材店以外で売っているのを見たことがありません。見た目通りこの葉は繊維質でバリバリしていてなかなか切りにくいです。

これをミキサーにかけて細かく…したかったのに、一筋縄ではいかなかった(涙)。これさ、バイタミックスとかだったらもっとスムーズにいくんでしょうか

もう思わず買いたくなりましたよ。でもその衝動をぐっと抑え、ふたを開けてはスプーンでつつき、かき混ぜを繰り返すこと十数分。

何とか必要量のパンダンリーフ液の抽出に成功しました。そう。水をたくさん入れればもちろんミキサーはスムーズに回るのです。がしかし。濃い緑色にするために、水を余分に加えるわけにはいかなかったのです。いやー苦労した。

粉を練りに練って、ココナッツミルクで溶くという驚愕の工程!

カノムチャンづくりに使うのは上から米粉、タピオカ粉、くず粉の三種類。これを適宜ブレンドしまして、水を加えて練ります。手でこねる場合は手のひらの付け根に力をかけ、そこで生地を前に押し出すようにギュッギュとこねていきます。その時間、最低でも15分。ですが、以前ベーグルづくりにはまって腱鞘炎になった過去をもつ私は、その際に「キッチンエイド」という救世主を我が家に迎えました。

もう15年以上使っていますが、いまだに元気です。ありがたい。

ということでキッチンエイドでこね始めたのですが、これがまたパン生地のようにうまくいかず。羽の種類を変えたり、スピードを加減したりしながら、なんとか納得の状態までもっていきました。

そして。せっかく時間をかけてこねた生地をなんと!ココナッツミルクで溶いてしまうのです。ああ無常。。。でもね、この「捏ね」の作業を入れないと、もっちりとした食感にはならないんですって。理系に強い方に、科学的な説明をお願いしたい。

こうしてできた生地の重さをはかり、「5:4」に分けます。

上から「緑・白・緑・白…」の9層カノムチャンにするため、「5」の方にバイトゥーイ液を加えます。最後はいよいよ「蒸し」の作業です!

「緑」3分「白」3分「緑」3分…(の地味な)繰り返しが生み出す美しき9層

蒸し器にたっぷりの水を加えて沸騰させます。型もあらかじめ入れて熱々にしておきます。そこに「緑」を加えて、

蓋をして3分加熱。

お次は「白」を加え、また蓋をして3分、この作業を9回繰り返すわけです。さすればこの通り。

後は冷ましてから取り出して切るだけ。カノムチャンバイトゥーイの完成です!

タイ式ういろう「カノムチャン」。お行儀が悪いですが、1層ずつ剥がして食べるのが好きです。

ココナッツミルクは油分を含んでいるため、このように難なく型から取り出すことができます。

見てください、この美しい断面!頑張った甲斐があったわー。そしてこのカノムチャン、もちろん菓子切りで上から下まで9層一気にいっちゃっても良いのですが…

個人的にはこうして一層ずつ剥がして食べるのが好きです。結果、菓子切りは添えただけで一切使用しておりません。

ココナッツミルク風味なので、もちろん日本のういろうとは違いますが、その食感は非常によく似ています。時々無性に食べたくなる、できれば買って食べたいタイ式ういろう「カノムチャン」でした。

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May先生

多彩な薬味と味わう、イサーン式ココナッツカレーヌードル「ミーガティ(หมี่กะทิ)」。

「ミーガティイサーン」とは

タイの東北地方、いわゆる「イサーン」で食されるというココナッツミルクベースのカレーソースをかけていただく米麺、「ミーガティイサーン」。「ミーガティイサーン」という名ですが、タイの方が作られた動画やブログを見ていると、「ミーガティ(หมี่กะทิ)」とだけ入力しても数多くのページにヒットします。

また英語では「Coconut Noodles」とか、「Noodle with Coconut Curry」などと表記されているのを見つけることができました。

「ミー」とは太さに関わらず米麺全般を指すとのことですが、ココナッツミルクを加えたシャバシャバのカレースープをかけながら、付け合わせの野菜などと一緒にマゼマゼしていただきます。

イサーン料理ではあまりココナッツミルクを使わないので、そういう意味で珍しいお料理です。

タイでは麺をいただくスタイルとして、お皿に山盛りの薬味や野菜を準備し、麺と合わせたところにソースやカレーをかけていただくというものがあります。例えば同じ東北部の「カノムチン・ナムヤー・パー」とか、あるいは南部の「カノムチン・ナムヤー・ガティ」などです。

この手の食べ方をする際に使われる麺は「カノムチン(カノムジーンとも)」と言われる、米麺は米麺でも、米を発酵させて作った押し出し麺です。ところがこの「ミーガティ」にはセンミーやセンヤイなどの米麺を使う点もまた特徴の一つです。

カンボジアの影響を受けているとか、似た料理がベトナムでも食されていることから「カンボジア発、ベトナム経由、タイ行き」で入ってきたのではないか、とかこのお料理の発祥については諸説ある模様。

こちら、参考になるであろう「ミーガティ」の作り方。

こちら、ごく一般的な家庭で「普段のごはん」として作られていると思われる「ミーガティ」です。途中、材料紹介で「アジノモト」がすんごい流ちょうな日本語で出てきて、私は思わず笑ってしまいました。

「ミーガティイサーン」に欠かせないカレーの作り方

次に「ミーガティ」に欠かせないカレーの作り方。前段で文章を書きすぎたので、ここは写真のみでご紹介。

ココナッツミルクの固形部を分離し始めるまで熱したところでペースト投入。
ペーストの中に入ったホムデン等が甘くなるまでしっかり炒めます。
ペーストが炒まったら一度火を止め、水もの系の材料を加えて、
肉をほぐしてから再度火をつけます。
タマリンド水を加えて酸味をプラス。これもこのミーガティの特徴。
水気が飛ばないよう蓋をして15分ほど煮込んだら調味料で味を調え、
最後に溶き卵とクラッシュピーナッツを加えればできあがり。

…と、こんな感じで作ります。

あとは深さのある器に盛り付けて、麺や野菜にかけ、全体をよく混ぜていただきましょう!

お日様がお肉を美味しくする「ムーデーッディォウ」

以前代々木にある「ソムタムダー」で食べた「豚肉の日干し揚げ」。各種タイ料理本にもレシピが掲載されている割と知られたタイ料理です。(たぶん。。。)

下味を付けたお肉を干して揚げるお料理なのですが、干して水分を飛ばすことによって肉のうま味が凝縮され、先生曰く、「安いお肉でも美味しくなります!」とのこと。それ素敵。

こうして、お肉はかなり色づくまで素揚げします。

これはビールにももち米にも間違いなく良く合います。合う、というか進みすぎて困っちゃうレベルの相性の良さ。

下味を付けた状態で数日は持つとのこと。私はそれを冷凍してさらに持たせちゃいますが。さらにはお肉を牛に変えても美味しいそうなので(当然か)、早速、豚肉&牛肉半々で復習してみるつもりです。

「コームーヤーン」、黒胡椒をきかせたバージョン。

最後のヒトシナはタイ式の豚トロ炭火焼き。今回は黒胡椒をしっかりきかせたバージョンを教えていただきました。

これまた下味を付けたお肉をオーブンで焼くだけ。イサーン料理はシンプルで良い。

タイの屋台風にざっくりそぎ切りにしていただきます。

カオクア(炒り米粉)が入ったイサーンスタイルのソース。「マカーム(タマリンド)」の酸味が効いていてこれまたすごく美味しいのでした。

イサーンに思いを馳せつついただく極上のタイ料理。早くタイに行きタイ。料理でそんなさみしさを紛らわす夜。口福、幸福。