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5)煮物・蒸し物

タイ風卵入り豚の角煮(ムーカイパロー/หมูไข่พะโล้)

「ムーパロー」「カイパロー」正解はどっち?

この「パロー」というタイ料理、食べると日本の「豚の角煮」そっくりです。おそらくどちらも中華料理からきているためと思われます。

五香粉を加えるレシピ、ホールの八角やシナモンを加えるレシピなど、そのレシピによって加えるスパイスが様々なら、味付けもこってり&しっかり甘いもの、甘さ控えめでさっぱりと食べられるものなど、とにかく作り方のバリエーションが豊富な「ムーカイパロー」。食べる人の数だけレシピがありそうなタイ料理です。

そしてこのお料理の呼び方も「ムーパロー」と言う人がいれば、「カイパロー」と呼ぶ人もあり。私は「ムー(豚)」も「カイ(卵)」もどちらも好きだし、いずれが抜けてもこのお料理が成立しないことを考えれば名前に入れないという選択肢はないでしょう!ということで「ムーカイパロー」と呼ぶことにしました。

私が一番好きな「ムーカイパロー」を作る。

とにかく様々な作り方がある「ムーカイパロー」、あれこれ試して私が一番おいしい!と思ったのがこの作り方になります。はじめに小鍋でカラメル液を作り、粗熱が取れたら他の調味料を加えて、そこに下茹でした豚肉を漬け込みます。

時間としては30分以上は漬けておきたいところ。

下味が付いた肉を鍋に移して中火にかけ、

肉が焦げ付かないよう時折上下を返しながら、煮詰めていきます。

調味料が十分に詰まったら水を加えて一度沸騰させ、灰汁を取り除いたら蓋をして1時間ほどコトコト煮込みます。

私は「せっかくだから!」とここで下茹でした大根やら厚揚げやら練り物まで加えてしまいます。もはやおでん。でも、このうまみたっぷりの煮汁を何かに吸い込ませたくて仕方がない気持ち、誰かわかってくれないかな。

ほら、おいしそう。でも日本のおでんや肉じゃが同様、出来上がった熱々をすぐに食すことなかれ。この手のお料理は冷める段階で食材に味が浸み込みます。なんなら沸かして冷ましてを数回繰り返しても良いぐらいです。少なくとも一度は冷まして、温め直したものをいただきましょう!

完成した「ムーカイパローwith厚揚げ練り物」の肉は柔らかすぎて歯を必要としません。

こちら、完成した「ムーカイパロー」です。

じっくり煮込まれたお肉はこのとおり、箸で軽く押さえただけでホロホロと崩れます。最高。味はさっぱりした中にも深みがあり、甘みもしつこ過ぎず丁度いい。今のところ、これがベストレシピです。

天下の「味の素」と「電鍋」のお世話になり、ほぼ手をかけない「ムーカイパロー」というのもあります。

日本にも「〇〇の素」ありますよね。スーパーに行けば通路一つ分がこういった「素」コーナーだったりします。タイ料理も同様で、こういった手軽にそれぞれのお料理を作れる「素」がたくさんあるのです。

ちなみにこれは天下の「味の素」が作っているパローパウダー。

まず鍋に豚かたまり肉と大根と水を入れて火にかけ、沸騰したら灰汁を取り、その後で「パローパウダー」を加えます。

あとは簡単。こちら台湾の有名家電「電鍋」ですが、調理はもうこの子任せ。

加熱調理が終わった後も保温されるので、そこでお肉や大根がどんどんやわらかくなっていきます。

茹で卵は最後に加えて、冷める過程で色と味を浸み込ませるのは先の本格レシピと同じ。

調味料を煮詰めていないため、香ばしさはないし、味わいも平坦な印象。でもとにかく簡単なので、できるだけ手間を省きたい方、はたまた料理の味を決めるのがどうにも苦手で…という方にはこのパローパウダーを推奨いたします!

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5)煮物・蒸し物

サークサイムー(สาคูไส้หมู)

豚肉餡入りタピオカ団子、これはオヤツか惣菜か。

こちら、西荻窪にあるタイ料理店「ハンサム食堂」のサークサイムー。

豚ひき肉にたっぷりのココナッツシュガーやナムプラー、炒って砕いたピーナッツなどが入った餡を小さい粒のタピオカで包んで蒸しあげたタイ料理「サークサイムー」。タイでは小腹がすいた時に食されることも多い、おやつポジションの料理です。

このお料理、ちょっと点心っぽい感じがするので中華系がルーツかなとも思うのですが、ココナッツシュガーとナムプラー、そしてトッピングのニンニク油とプリッキーヌでそこはしっかりタイ味になっています。

サークサイムーの作り方

まずは中に詰める肉餡の作り方からご紹介したいところですが、なぜか写真が見つかりません。おかしいな、撮ったはずなのに。小一時間探しても見つからなかったので、代わりに以前「タイ料理教室diidii」で作った際の様子をごらんください。

タイトルは「パッキーマオ」になっていますが、この回のメニューの一つがサークサイムーでした。

ひき肉がそぼろ状、というよりは、加えたココナッツシュガーによって飴状になるまで練り上げ、粗熱が取れたら一口大に丸め、そこにぬるま湯でふやかした小粒タピオカをまぶしていきます。

これを蒸気の上がった蒸し器に並べて、周りのタピオカに透明感が出るまで火を通すことしばし。12分ぐらいかな。

火を通す前はいまいちに見えましたが、艶々タピオカのおかげでこの通り!美しい仕上がりになりました!

葉物野菜と食べるとおいしいよ!

いろいろな食べ方があるかと思いますが、ニンニク油と付け合わせのお野菜は個人的に絶対欲しいところです。てっぺんに乗せたプリッキーヌは見た目的には必須。ですが、食べるかどうかはお好みでどうぞ。

さらにこのお料理、冷えるとタピオカがカチカチになってしまうので、作ったらすぐに食べることをお勧めします!少なくとも、常温で放置できる時間の中で食べきりましょう。

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5)煮物・蒸し物

プラーラー・ソン・クルアン(ปลาร้าทรงเครื่อง)

具だくさんのプラーラー煮

「ソンクルアン」とは刻んだいろいろな具やたくさんのものという意味があるタイ語。プラーラーとはこちら。

魚を塩漬けし発酵させたタイ北東部イーサーンで一般的な調味料です。このプラーラーの旨味が効いた具だくさん煮が「プラーラー・ソン・クルアン」になります。

「プラーラー・ソン・クルアン」の材料

こちら、ココナッツミルクの薄い部分とプラーラーソース、タマリンドウォーターを煮立てたら具材を加えて煮るだけなので、今回は作り方ではなく材料のみご紹介します。

タイの汁気多めな煮物らしく、カーやホムデン、バイマクルー、プリッキーヌ、そして魚の臭みを取るために千切りにしたガチャイがたっぷり入ります。

お魚は鱈を準備しましたが、鰆やカジキマグロなど、もうちょっと身のしっかりしたものの方が美味しいと思います。(生憎手に入らなかったのです…。。。)

こちら、汁多めではありますが、スープというよりも煮物的な感じで味付けもしっかり目なので、たっぷりのお野菜(これに合わせるのは生野菜がいい!)を用意して一緒に食べるのがおすすめです。

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タイ料理図鑑 5)煮物・蒸し物

タイ風アクアパッツァ

おしゃれなイタリアンの定番アクアパッツァをタイ風に。

アクアパッツァといえばイタリアンの定番料理の一つ。お魚をソテーして、そこにオリーブや刻んだアンチョビ、アサリ、トマトなどの具材を入れ、白ワインを加えて煮込みます。お魚はもちろんスープがおいしいお料理です。

今日はそれをタイ料理風に仕立ててみました。

フライパン一つでできる!実はお手軽料理なアクアパッツァ。

今日用意したお魚は大好き!メバルちゃんです。もちろん切り身でもよいのですが、個人的にこの魚一匹のビジュアルが好きで。アクアパッツァを作るときには断然「お魚一匹丸ごと派」です。

まずはこのお魚に軽く粉をまぶしていい感じに焦げ目がつくまで両面を焼きます。この後ほかの具材と蒸し煮にするので、火の通りは気にする必要なし。

魚にいい焼き色がついたらフライパンに具材すべてと調味料、水を入れます。この時調味料として加えるお酒は白ワインではなく、今日は紹興酒にしてみました。あとは蓋をして弱めの中火で蒸し煮に。キャベツが柔らかくなり、アサリの口が開いたらできあがりです。

ちなみにこのお料理、ゼロからの創作ではなく、「タイ料理教室diidii」で習った「ホイライ・オプ・ガランプリー」をベースにしました。

タイ料理教室diidii 東京池袋

豊島区池袋タイ料理教室ディーディー。ベジタリアンコースもある200以上のメニューを1人ずつ調理実習できる4名までの少人数料理教室です。

Dコース第5回のレッスンに登場するメニューです。

サブおかずは「空豆とタケノコのオイスター炒め」

いつもはパプリカと油揚げで作る自分的定番料理。今日はそのパプリカをタケノコと空豆に置き換えて作ってみました。

いつもとちょっと違うのは、初めにタケノコと空豆だけを炒めて焦げ目をつけたこと。これでサクサクした食感と香ばしさをプラス。

あとはいつも通り、豆チの香りを油に移し、具材を加えて酒を一回し。ちょっと炒めたら最後にオイスターソースを加えて全体に行き渡るよう炒めればできあがりです。

ちなみに、豆チ(中華の発酵食品)なんてないよ、という方。代わりに刻んだ高菜漬けを加えても美味です。

本日のおうち定食「タイ風アクアパッツァ定食」

ちょっとアクアパッツァの盛り付けが雑だな。

それはともかく、味は間違いなし。メバルの身を崩しながらスープやそのスープを吸い込んだキャベツ、アサリとともに口に放り込めばもうパラダイスであります。このアレンジ、思いついた自分ナイス!

たっぷり作ったアクアパッツァ、お魚はもう食べ切っちゃいましたが、キャベツとアサリ、そしておいしいスープがまだこれだけあり。明日はこれをまたおいしくいただく予定。そのアイデアがすでに浮かんでおります。

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タイ料理図鑑 5)煮物・蒸し物

ガイナーヌン

久しぶりに家でのんびり過ごした休日です。今日は朝からお野菜たっぷり、スパイスしっかり!のサンバルを作りました。

インドの味噌汁的スープ、サンバル!

こちら、出汁もお肉も入らない、ベジタリアンスープです。私は具たくさんなスープが好きなので、今日は

  • 大根
  • 人参
  • パプリカ
  • インゲン
  • 茄子

これらを加えてみました。トゥールダルをじっくり1時間煮込んだものがベースになっているので、その豆がスープにコクと風味を加えてくれます。味付けは塩のみ。スパイスはターメリック、カイエンペッパー、コリアンダーパウダーが入ります。最後にマスタードと玉葱のみじん切り、唐辛子、カイエンペッパーを少し多めの油でテンパリングしたものを加えれば完成。あ、今日はこのテンパリングに育ちすぎて困っちゃってるカレーリーフも消費のために加えました。

こちら、今年の9月中旬に撮影したものですが、この後も新芽が出続けており、1今年の成長期は終わったかな…と思いきや、11月にもワッサーっと新芽がそれぞれの枝から出てきました。気密性の高いマンションは温かなので、この子にとっては快適なようです。ちなみに、うちのカレーリーフちゃんは完全室内飼いの箱入り娘です。さすがにこの後は成長が止まり、来年の5月まではお休みに入ると思いますがさて、どうなることやら。

泰印折衷のブランチ。

ということで本日のブランチはタイとインドの融合です。メインはこちらの「ガイナーヌン」。

昨日のお弁当の残りです。レンジで温めなおして食べたのですが、お肉は柔らかいまま。苦手な皮も口の中でとろけるレベルの柔らかさになり、これは私も心から美味しい!と思っていただきました。

そして、ガイナーヌンはスープも美味しい!ということで、それをたっぷり吸わせるパンも本日は良き品を準備。渋谷にある「VIRONヴィロン)」の…名前は忘れましたが、とにかく美味しいパンです。

そしてここに作り立てのサンバルとデザートまで付けて、完成!

デザートは日曜日のお料理教室でお土産にといただいたもの。小豆入りのココナッツゼリー、柿のジュレのせ。やっぱりたまには予定を入れない休日も必要だな。

お弁当と言えば、最近のタイ弁当はこんな感じ。

最近、アップが滞っておりますが、タイ弁当もボチボチ作っております。こちらはある日のゲーンハンレーとナムプリックオンのお弁当。

茄子とひき肉を炒めたタイ料理をゴハンにのせた丼弁当。オムレツとスクランブルエッグの間…の風貌になってしまった卵料理は季節の食材、牡蠣のコンフィ入りです。

そしてこちらが昨日のガイナーヌン弁当。

こちらの得体のしれないものは、アジアスーパーストアで買ってきた、タイのスイーツです。カノム…なんだっけ。米と黒豆とタロイモをココナッツミルクで煮て、バナナの葉で包んで焼いたもの、っていうのは覚えているのですが、名前を失念。これが超おいしくて、3週間後に迫ったチェンマイ旅行では、こんなスイーツの食べ歩きも絶対しよう!と思った次第です。