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2)炒め物

スキーヘーン(สุกี้แห้ง)

味の決め手は「タイスキ」の「たれ」、汁なしタイスキ「スキーヘーン」。

「タイスキ」とは言うなれば「タイ式しゃぶしゃぶ」。日本のしゃぶしゃぶのように、具は肉と野菜…という単純な説明はできません。タイスキの具を準備するのにはとにかく手間がかかります。詳細はこちらをどうぞ。

…というタイスキの話は置いておいて、今回ご紹介する「スキーヘーン」はそのタイスキのたれを調味料として使い、春雨と野菜、そして魚介類やお肉を炒めたタイ料理です。「スキーヘーン」を「汁なしタイスキ」と日本語で表現しているのをあちらこちらで見かけますが、個人的には「タイスキ味の魚介と春雨の炒め物」の方が、よりこのお料理をイメージしやすいのではないかと思います。

この「スキーヘーン」、タイスキのたれが春雨やお野菜にしっかりしみ込んでいて美味。材料も工程もシンプルで、タイスキのたれさえあればあっという間にできあがるので、お教室で習って以来何度も自作しているリピート率上位のタイ料理でもあります。

スキーヘーンの材料。

今回用意した具は以下の通りです。

  1. 肉(鶏肉、豚肉)
  2. 魚介類(エビ)
  3. 野菜(白菜、小松菜、万能ねぎ、きくらげ、エリンギ、ニンジン)
  4. 春雨
  5. タイスキのたれ

魚介には烏賊を入れたいところですが、あいにくこの日は良きものが手に入らずエビのみとしました。野菜も今回はオーソドックスなラインナップにしてみましたが、旬のお野菜を使って良し!です。春なら春キャベツや筍、スナップエンドウやさやえんどうといった豆の類を入れてもよいでしょうし、夏ならおくらやいんげん、パプリカなんかを使ってもきっと面白い仕上がりになるはずです。

スキーヘーンの作り方。

まずは魚介類をさっと炒めて一度取り出し、次に肉を炒めます。

そのお肉ですが、適当な大きさに切ったものを調味料やスパイスに漬け込んでおきました。

肉の色が変わったら野菜を火の通りにくいものから順にフライパンに入れ、炒めていきます。野菜に艶が出てきたら、水に浸したのち食べやすい長さにカットした春雨を加えます。

ここでタイスキのたれと調味料を加えて、全体の色が均一になるまで、しかしながら手早く炒めます。

そろそろOK!という段階まで来たら、鍋の中身をフライパンの奥に寄せ、手前の空いたスペースに卵を割り入れます。白身の具合を見ながらざっくりとしたスクランブルエッグを作って他の具材と混ぜ合わせ、最後に万能ねぎを加えれば完成です。

完成したスキーヘーンの行方。

スキーヘーン、作り立てホカホカを少々いただいた残りは翌日のお弁当になりました。そのままでももちろんおいしいですが、レンジでちょっと温めるとなおのこと美味。

タイスキのたれを作るのがちょっと面倒ではありますが、この味を思い出し、この料理食べたさに気合を入れて仕込んだことがもう何度あるか。タイスキが好き!という方、ぜひこちらのスキーヘーンもご賞味くださいませ。

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2)炒め物

ネームと卵と春雨の炒め物(パットネームウンセンサイカイ/ผัดแหนมวุ้นเส้นใส่ไข่)

「サイカイ/ใส่ไข่」は卵入り、という意味です。

上のレシピでは「ネームパットウンセンサイカイ」という名前で紹介されている今回の料理、入る主な具はタイの発酵ソーセージ「ネーム」と「春雨」そして「卵」なのですが、料理名に春雨が入っていたりいなかったり、ネームが先頭に来たり来なかったりといろいろな呼び名があります。

この料理の主役はもちろん「ネーム」。

普通の豚肉を使ってもおいしいのですが、発酵食品特有のうまみはやっぱり特別。ネームを何本か買うと、うち1本はこの料理に使ってしまうほど、好きな料理の一つです。

ネームと春雨と卵の炒め物の材料。

材料はごくごくシンプルで右上が春雨、こちら水に浸してあります。それからちぎったネーム(左下)。赤いトレイに乗っているのは玉ねぎと赤ピーマン、ざく切りにした万能ねぎ、卵、そして合わせ調味料です。

ネームと春雨と卵の炒め物の作り方。

まずは熱したフライパンでちぎったネームを炒めます。

次に玉ねぎと赤ピーマンを炒めて、

続いて春雨を加えて…

そうそう。卵は最初にふわっと炒めて取り出しておくんでした。調味料を入れたらその炒め卵を戻し入れまして、よく混ぜます。

最後に万能ねぎを加えてひと混ぜしたらできあがり。

ご飯にも合うし、酒の肴にもなりますよ。

こちらの炒め物、味をつける調味料の一つとしてオイスターソースを加えるのですが、それでおおよその味を想像していただけるかと思います。

ご飯にももちろんぴったりですし、酒の肴にもなります。しかも辛くないので、辛い物が苦手な方にも安心して召し上がっていただけるタイ料理です。おいしいよ!

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2)炒め物

ソフトシェルクラブの黒胡椒炒め(プーニムパットプリックタイダム/ปูนิ่มผัดพริกไทยดำ)

ソフトシェルクラブの一番好きな食べ方、黒胡椒炒め。

タイ料理でソフトシェルクラブと言えば、プーニムパッポンカリーが最も有名かと思います。私がタイ料理にはまるきっかけともなった料理でもあり、個人的には思い入れもひとしお。

しかしながら、正直に申し上げましょう。この黒胡椒炒めを習ってしまったら、簡単だしおいしいしで非常に気に入ってしまい、作った回数もパッポンカリーの倍以上かと。ご飯に合うのはもちろんのこと、お酒にも種類を問わずよく合うのです!呑兵衛さんに心からお勧めするタイ料理でもあります。

ソフトシェルクラブは手間を惜しまず揚げましょう!

この黒胡椒炒めを作るにしろ、パッポンカリーを作るにしろ、加えるメイン食材はぜひぜひ油で揚げてください!今回は「プーニム」が主役ですが、ほかに烏賊やエビ、ホタテなどの海鮮、あるいは鶏肉などで作ってもおいしいです。が、いずれもやはり、粉を軽くまとわせてカラリと揚げてください。

揚げずにそのままフライパンに放り込んで炒めるレシピも多いですし、その作り方が決して手抜きなわけではありません。でもね、揚げることによって食材が香ばしくなり、断然おいしくなるのです!ということで、くどいようですが、メイン食材はぜひ揚げてください。

ソフトシェルクラブの黒胡椒炒め、作り方。

まずはメインの香辛料、黒胡椒とタイハーブのたぐいをクロックで叩き、ペーストにします。

これを熱したフライパンに油を敷いて炒め、良き香りがしてきたら野菜の類をすべて加えて強火で手早く混ぜます。

そして、野菜に火が通ったら(この炒め加減は完全に好みの問題です。シャキシャキが良ければ1分程度でよいでしょうし、くったりしたお野菜が好きならもっと長い時間炒めてください。)揚げたメイン食材を加えてさらっと炒めれば…

プーニムパットプリックタイダム/ปูนิ่มผัดพริกไทยดำの完成です!

このタイ料理もまたご飯がススム君。そして「タイ料理の甘み、辛味、酸味が入り混じったあの複雑な感じが苦手で…」という方も、このお料理を食べたら必ずや「おいしい!」と言ってくれるはずです。

タイのホムデン(紫色の小さなたまねぎ)の代わりに普通の玉ねぎを使ってもよいでしょうし、プーニムは先にも書いたように、ほかの海鮮に置き換えてしまえば材料を揃えるのも簡単!(個人的にはエビとベビーホタテの組み合わせがおすすめです。あ、イカもおいしいですよ。)

こうして書いていて思いましたが、この黒胡椒炒め、実はタイ料理ビギナーさんにぴったりかと。興味を持った方、ぜひぜひ作ってみてください。

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2)炒め物

パットサトークンソット(ผัดสะตอกุ้งสด)

「サトー」というクサイ豆。

タイ語で「สะตอ(サトー)」と言われるこちらの豆、和名は「ネジレフサマメ」というそうですが、タイ料理を習うようになって初めて出会った食材です。

特徴的なニオイと甘みの中に若干の苦みがある、サクサクとした歯触りの豆で、タイでは南部が原産地。しかしながら今はタイ全土で栽培されているようで、私もタイの市場でなんどか見かけました。

下の写真は3年前、チェンマイで年越しをした際に訪れた金曜朝市での写真。左上がネジレフサマメ。テーブルには剝いた豆がザルに入って売られているのが見えます。

タンパク質、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、鉄と様々な栄養素を含み薬効も高いのですが、尿酸値を多く含むため痛風の人は要注意、なんだそうです。

「サトー豆とエビの炒め物」の作り方

こちらがこの炒め物の材料です。とてもシンプル。

クロックヒンでこのように粗目のペーストになるまで左トレイにあるプリッキーヌ、ホムデン、そしてガピを叩き潰し、油をひいて熱したフライパンで炒めます。

ペーストに火が通ったらまず調味料を加えて、良い香りがしてきたらサトー豆を投入します。

炒めすぎると固くなるエビは最後に加えて、炒めすぎ注意で仕上げます。

体内に入っても尚ニオう「サトー豆とエビの炒め物」

独特の味とニオイを持つサトー豆、これは好き嫌いが分かれる食材の一つかと思います。私は大好きで、このタイ料理ももう何度か作っています。

ただ一つ未だに慣れないのが、このサトー豆を摂取した後、しばらく自分がクサイこと。特にトイレ。知らないとびっくりするレベルです。私自身、アスパラガスを食べても同じ現象が起きるのですが、このサトー豆はそれ以上かと。ただ感じない人は全く感じないそうなので、むしろ他の方がどうなのか、興味津々だったりします。

サトー豆が買える場所

サトー豆はタイ料理に使う生鮮食品を扱っているお店の冷凍品コーナーにあるので、探してみてください。東新宿のアジアスーパーストアや錦糸町のタイランドではタイ産のもの、御徒町アメ横センタービル地下の野澤屋さんではインドネシア産のものが手に入るかと思います。2023年2月現在。

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2)炒め物

パットパックルアムミット(ผัดผักรวมมิตร)

タイ式のミックス野菜炒めの材料。

タイ式のミックス野菜炒め、「ティッチャイタイフード」でMay先生にこれを習ってから、我が家の野菜炒めはすべてこのタイスタイルになりました。

おいしさのポイントはいくつかあるのですが、その一つが野菜の下茹で。あらかじめ、それぞれの野菜に合わせた時間で下茹でしておくことで、仕上がりが水っぽくならず、味がしっかり決まるのです。

  • [かたい野菜]ニンジン、レンコンなど
  • [まあかたい野菜]カリフラワー、ベビーコーンなど
  • [やわらかい野菜]スナップエンドウ、アスパラガスなど
  • [さっと茹でればよい野菜]おくらなど

かたい順に並べてみましたが、グラグラ沸かしたお湯に塩と油を少量加え、上に書かれたかたい野菜から順に加えて茹でます。最後のオクラなんかは15秒ぐらいでOKです。それをざるに引き上げ、しっかり水気を切ったものを使うと、炒め物が感動モノの仕上がりになります。「野菜炒めをおいしく作れたためしがない」という方には、まずこの方法を試してみてほしいです。

タイ式ミックス野菜炒めの作り方。

普通の油で炒めてもよいのですが、より味わい深い仕上がりにするために、ここでは豚の背油をきつね色になるまで炒めました。そこにニンニクを加えて香りを出したら

調味料と野菜を加えてさっと炒めます。

最後に水溶き片栗粉を加えて、野菜に味をまとわせ、艶よく仕上げます。

完成したタイ式ミックス野菜炒めの美しさをご覧ください。

この鮮やかな色、そして艶、味はもちろん最高です。日本の春は特に、緑の美しいお野菜や、ほろ苦さがおいしい野菜ががたくさん出回るので、特にこの野菜炒めはおすすめです。タケノコなんかを入れてももちろん美味。

野菜ってお高いので、巷のタイ料理店ではここまで贅沢にいろいろなお野菜を使った野菜炒めって食べられないですよね。だからこそぜひぜひ家で作って食べたいメニューの一つです。

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タイ料理図鑑 2)炒め物

海鮮黒胡椒炒め(ทะเลผัดพริกไทยดํา)

「海鮮の黒胡椒炒め」材料。

まずはお野菜。本来はステンレスのトレーに入った4種類で十分なのですが、少々具合の悪そうな菜花が野菜室にいらっしゃいましたので、そちらも急遽加えることにしました。

これはおととい揚げた海老とベビーホタテ。ソフトシェルクラブだとなお美味しいのは分かっているのですが、当方、庶民のためお手頃な海のものを使います。

そしてこのお料理の肝ともいえるのがこちら!最初に炒める香味野菜ですが、ここに黒胡椒が入ります。

水気の少ないものから順にクロックヒンでたたいていきます。あとは調味料を一つのボウルに合わせておけば準備完了。

「海鮮の黒胡椒炒め」、5分1本勝負。

1)石臼で叩き潰した香味野菜を香りが立つまで炒める。
2)お次は玉ねぎ。しんなりするまで炒める。
3)野菜と揚げた海鮮投入。海鮮は揚げたてならこの後でOK。
本日は冷蔵庫より出したて(=冷たい)ゆえ、ここで加えました。
4)最後に合わせ調味料と「飛び入り参加メンバー」の菜花を。

ということで、あっという間に完成です!調味料にはスープも入って水気多めなのですが、揚げた海鮮に絡めた小麦粉のおかげでほどよいとろみがつき、良い感じに仕上がります。

野菜しゃっきり、ツヤツヤで美味しそうにできました!

本日のおうちごはん「海鮮の黒胡椒炒め」定食。

今日作ったのは炒め物のみなので、超絶簡単昼ごはんです。

メインの「パット・タレー・プリックタイダム(海鮮の黒胡椒炒め)」、野菜はしゃっきりとした食感を残しつつもちゃんと火が通っていました。味付けもその味の絡み具合も非常に良き感じ!最近ちょっと炒め物が上手になったやもしれぬ。嬉しい。

スープは作り置き。

こちらは昨晩、散歩がてら3キロ先にある和菓子屋さんに行って買ってきたもの。往復6キロ。良き運動になりました。が、そこで消費したカロリーはここでしっかりチャージ。むしろプラス(笑)。でも美味しいからいいのです。

リモートワーク3日目。今のところいい感じで過ごせています。気を付けなければならないことは多々ありますが、その中でも楽しみを見つけつつ、体も心も元気を保っていきたいな。

こちら、眺めて心に栄養をいただこうと昨日から飾っている芍薬。

少しずつ花が開いていく様子を見ているだけでウキウキした気持ちになれます。

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タイ料理図鑑 2)炒め物

厚揚げのバジル炒めかけごはん(เต้าหู้ทอดผัดกะเพราราดข้าว)

厚揚げで作るガパオ炒め、肉なしでも満足度120%!

これまで豚肉や鶏肉をメインの食材にして作ってきたガパオ炒めですが、今回は厚揚げで挑戦です。

加えた野菜は赤パプリカ、黄パプリカ、ピーマン。これで作ればベジ仕様に。肉も魚も大好きな私は海老を加えました。それでは早速、調理工程に参ります。

まずはトッピングの目玉焼きを作ります。多めの油で白身の縁がカリカリになるまで、多めの油で揚げ焼きにするのがポイント。

卵を引き上げたら同じフライパンでさいの目に切った厚揚げを表面がカリッとするまでじっくり炒めて。返すのは時々でOK。

続いて海老も先に7割方火を通しておきます。海老は熱しすぎると身が固くなるので、その防止に。yukko先生から教わりました。

フライパンの中を一度キッチンペーパーでふき取り、油とペースト状にしたニンニク、プリッキーヌを加えて火にかけます。

ニンニクとプリッキーヌの良き香りがしてきたら野菜を入れ、表面が艶やかになるまでさっと炒め…

厚揚げと海老を戻し入れたら調味料を加え、全体に行き渡らせましょう。

最後にガパオの葉を散らし…

10秒ほど炒めたら完成です!

「厚揚げと彩り野菜のガパオ炒めかけごはん定食」はこちらです。

アグレッシブに引きこもり中のおうちモーニング。

参考にしたのはこちらのレシピ本に掲載されている「豆腐のバジル炒めかけご飯(24ページ)」です。

厚揚げは2倍、野菜の量は7倍(笑)、調味料は1.5倍量、レシピにはない海老を加える…とかなりアレンジしてはいますが、ベースとなる調味料の配合が良いので、間違いなく美味しい料理が完成します。

青マンゴーとイチゴのヤム
豚肉と大根の梅干しスープ

ヤムとスープは昨日からの持越しの品。美味しい作り置きがあるって、楽だし幸せだな。

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タイ料理図鑑 2)炒め物

豚肉のインゲンのレッドカレー炒め(ผัดพริกขิงหมู)

こちら、タイのおかず屋台の定番メニューとのことですが、日本人にもなじみのある食材、そして味付けかと思います。かくいう私も大好き。

ちょっとインゲンが弱った感あり。

私は冷凍できそうなおかずはまとめて作り置くようにしているため(少量作るとコスパが悪い)、こちら、冷凍庫からの出動品。忙しい朝、そしてお弁当にも大活躍の自家製冷食です。

甘辛味にごはんが進む!

レシピは味澤ペンシー先生の本より。

こちら、我が家で大活躍中。

これまた作り置き。

曜日に関わらず朝ごはんは簡単に。かつ野菜もお肉もしっかり食べて、エナジーチャージ完了です。