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6)スープ・カレー

ゲーンハンレー(แกงฮังเล)

北タイを代表する料理の一つ「ゲーンハンレー」

こちら、実際にタイ北部にある町、チェンマイのレストランで食べた「ゲーンハンレー」ですが、このカレーは北タイを代表する料理の一つです。

このカレー、「ヒンレー」と呼ばれることもありますが、ルーツはミャンマーだそうです。そもそもミャンマー料理で「ヒン」はカレー味のお料理を指すとのこと。

そもそもタイのゲーン(カレー)は唐辛子がたっぷりと入ったペーストとココナッツミルクから作るものが主流ですが、その中にあって、このゲーンハンレーは日本人がよく知るあのカレーの香りがします。とはいえそこはタイ料理、実際に口にするとスパイシーさ以上に甘みと酸味が感じられ、やはりタイ料理だな…と感じるわけです。

ゲーンハンレーの材料

こちらがゲーンハンレーの材料です。主な具は皮つきの豚バラ肉。調べてみると北タイの家庭などではここにいろいろなお野菜を加えたりもするようですが、こちらが基本です。

特徴的なのはタマリンド液で酸味付けをすることと、ゲーンハンレー専用のミックススパイスを使うことでしょうか。

ゲーンハンレーの作り方

ゲーンハンレーの調理は肉の下ごしらえから始まります。ハンレーペーストやパイナップル、ナンプラーなどをしっかり揉みこんで数時間置くのです。これで肉に味が染みるのはもちろんのこと、煮込んだ際にホロホロ柔らかな仕上がりになります。

肉が良い感じに準備完了!となったら次は炒め&煮込み作業。まずは豚肉の塊を肉から水分が出てくるまでえ10分以上、じっくり炒めます。

次に残りの材料を加えて、蓋をして弱火でコトコト煮込むこと1時間半。

はい、激うまゲーンハンレー、完成しました!

ゲーンハンレーも習うべきタイ料理です。

この美味なるタイカレー、残念ながらタイでも北部に行かないと食べられないほどで、日本でも常時このカレーが食べられるタイ料理店はあまり見かけません。よって、このカレーを食べたければ習って自作してしまうのが最短ルートかと思います。

どちらの先生のゲーンハンレーも美味です!機会があればぜひぜひレッスンに参加してみてくださいませ。楽しい時間とおいしいタイ料理を保証いたします!

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6)スープ・カレー

レッドカレーペースト(ナムプリックゲーンペット/น้ำพริกแกงเผ็ด)

タイカレーのルー的存在、ナムプリックゲーン。

日本のカレーもインドカレーやら、スリランカカレー、ネパールカレーにスパイスカレーと多様になってきましたが、それでもまだまだ「おうちで作るカレー」といえば、肉、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎを具にしたカレールーで味を決めるものが一般的かと思います。

タイのカレーにも日本のカレーにおけるルー的な存在がありまして、そちらがこのカレーペースト(ナムプリックゲーン)です。塩やガピによっていくらかの塩味がついてはいるものの、ナムプラーやココナッツシュガーなどを加えて味を調えなければならないところは相違点。それでも、タイカレーの種類によって異なる色や風味の大部分はこのペーストによるもの、と考えると「日本のカレールーと同じ感じ!」と言ってよいかと思います。

レッドカレーペーストの材料

こちらが今回作るレッドカレーペーストの材料です。

ちょっと興味があったので、手持ちの料理本やタイの方が本国の料理レシピサイトで紹介している作り方などを見て、使用している材料を一覧にまとめてみました。

レシピによって若干の違いはあるものの、材料はほぼ共通していました。ただ、☆印のレシピのみ、ガチャイとガパオが入っていてなかなか興味深い。こちら、タイのとあるご家庭のものですが、お母さんから教わったレシピとのこと。紹介文の中に「ガパオは個人的な好み」と書いてありました。

レッドカレーペーストの作り方

まずはスパイス類を石臼ですり潰し、

このように、パウダー状になったらいったん取り出しておきます。

次に、料理用ハサミで数ミリ幅に切り、種を取ってから水に浸しておいた乾燥唐辛子の水気をきっちり絞り、塩と一緒に石臼で叩きます。

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私が10年来愛用しているキッチンバサミ。この10年の間にお値段が3倍近くになっているのには驚き!という余談はさておき。

唐辛子が滑らかな状態になったら(唐辛子はほかの材料が加わると叩きにくくなるため、根気強く初めに叩いておく必要ありです。)、水気の少ないものから順に加えていきます。まずは細かい輪切りにしたレモングラス。

お次はニンニクとホムデン。

ガピを加えたら、叩くというよりガピが全体に行き渡るように混ぜ込みます。

最初にパウダー状にしておいたスパイスたちを戻しいれ、よく混ぜたら…

レッドカレーペースト、完成です。

手作りレッドカレーペーストで作る料理は絶品です。

このレッドカレーペースト、カレーはもちろん、炒め物や蒸し物などに加えることもあり、その使い方は多様。

タイのさつま揚げ、トードマンプラーもレッドカレーペースト入り。

大好きなタイのふわふわ蒸し物、ホーモックにもレッドカレーペースト。

このレッスンで作った豚肉といんげんのピリ辛炒め、「パットプリックキン/ ผัดพริกขิง 」も味の決め手はレッドカレーペーストです。

このようにいろいろなタイ料理に使われるレッドカレーペースト。思った以上に使える優秀な子です。


おすすめの「ニタヤ」のカレーペースト。ただし、このメーカーのものは大袋が主流で、使い切りサイズはなかなかお見掛けしません。


日本でメジャーなのはこちらのメープロイ。ニタヤに比べると塩味や辛味が強めではありますが、十分おいしいので購入する場合には使い勝手が良いほうをどうぞ。ただし、いずれも手作りのおいしさにはかないませんが。(←それはそう。)

しかしながら小一時間石臼と向き合い、孤独な戦いをすることが肉体的・精神的に難しい場合には、私もニタヤペーストのお世話になっています。

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6)スープ・カレー

ポテーク(โป๊ะแตก)

魚介テンコ盛りのスープ?煮物?が「ポテーク」です。

ポテーク(โป๊ะแตก)、またはトムヤムポテーク(ต้มยำโป๊ะแตก)は海の幸がこれでもか!と入った汁物です。もしくはつゆだくの煮物と表現してもよいかもしれません。

テーク( แตก )は「壊す」という意味のタイ語ですが、ポ( โป๊ะ )は網だよ、とタイ料理の先生方に教えていただきました。つまり、網が壊れるぐらいたくさんの魚介類が入ったお料理、という意味なんだとか。

個人的に「 ポ( โป๊ะ ) 」が何かをきちんと知りたくて「 โป๊ะ 」で検索すると、違法漁業のニュースばかりが引っ掛かり、肝心の説明が見つからない。それでも諦めずにPCと睨みあっていたところ、ようやくこちらのサイトにたどり着くことができました。

https://onl.bz/GSPst9k

このページの下のほう、

このライン部分に「ポ」の説明があるのですが、潮の流れがある河口や海に仕掛けておいて、魚やエビ、蟹などを捕まえるための漁具だそうです。ライン部分の最後のほうにはマナガツオ、イカ、鯵、カマス、モトギス、ワタリガニ、小エビなんかがとれるよ!と書いてあります。

「 ポ( โป๊ะ ) 」 がわかってすっきりしたところで、ポテークの作り方です。

ポテークの材料と作り方。

お鍋に材料をどんどん放り込んでいくだけの簡単レシピ。

この動画は食材から丁寧に紹介してくれています。作り方も、食材一つずつ煮ては取り出すところが、私が習った作り方と似ています。

今回のポテークの材料はこちら。

鯛の頭は完全にスープの出汁要員です。鯛の骨が入ると魚介のスープのうまみが数割増しになるのでやめられません。しかもアラだから安いし。

まず鯛のアラを煮て出汁を取ったら、

ペースト状にしたタイハーブを加えてさらに煮込みます。もう良いかな、というところでキッチンペーパーを敷いたザルでスープを濾し、アラなどは取り除いちゃいます。

アラとはいえ、こちら、素敵なごちそうです。身をほぐしてとっておき、ナムチムタレーを添えれば酒の肴のできあがり。ちなみに、そのナムチムタレーですが、May先生のレシピ本、

こちらの31ページに乗っているレシピがおすすめです。余談をだいぶ挟みましたが、ここまで来たらゴールは間近。

魚介類を一品ずつ茹でてベストなタイミングで引き揚げ、器へ盛り付けていきます。

最後にレモングラス、バイマクルー、カーを入れて煮立たせ、ハーブの香りが出てきたところで熱々を器に盛り付け、タイハーブをちらせば…。

完成です!最後に加えるホーラパーの香りもよく、極上のタイスープの一つです。日本だったら季節ごとに出回るお魚が違うから、旬の魚介類で春夏秋冬、それぞれのポテークを作っても面白いかも。今年やってみよう。

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6)スープ・カレー

トムガティクンソット(ต้มกะทิกุ้งสด)

癖あり!だけれど極簡単で美味しいタイ南部のスープ「トムガティクンソット」

先日、サトー豆とエビの炒め物について書きましたが、その「サトー豆×エビ」の組み合わせはおいしいスープにもなります。それがこちらのトムガティクンソット(ต้มกะทิกุ้งสด)です。

臭いサトー豆に、これまた臭い「チャオム(ชะอม)」という野菜を組み合わせたたタイ南部のお料理。

これはタイ料理に慣れていないと美味しいとは思えないだろう一品です、おそらく。

こちらの「チャオム」なる野菜はアカシアの木の新芽です。新芽だから柔らかいか…と思いきや、こちら、野生動物の捕食から身を守るためか、細かいとげがびっしり生えているのですよ。そして臭いという二重苦を背負った、マニアックな部類に入るタイ野菜です。

トムガティクンソット(ต้มกะทิกุ้งสด)の材料と作り方

材料は上の通り。右のトレイがスープの材料で、左のトレイが具材たち。

作り方はとても簡単。お鍋に水とココナッツミルクを沸かしたら、ちゃんと火を通したほうが良いものを放り込んで数分煮込み、その後調味料、最後に残りの具を加えてひと煮たちしたら完成、といった具合。

この時は姫竹の水煮を使いましたが、旬の茹で立ての筍を使うと抜群においしいです。ということで、筍がおいしい季節になると必ず作るタイ料理でもあります。

トムガティクンソット(ต้มกะทิกุ้งสด)定食

このスープを作ったとある日の家ランチ。スープが簡単なので、もう一品もせっかくだから手を抜いちゃおう!とタコの唐揚げを買ってきまして、

フルーツと一緒にヤム(タイ式和え物)にしました。こちらはyukko先生のレシピで。

タイ人の方がこのお料理について紹介したページを見ていたところ、筍は材料に含まれていないものの、「筍がおいしい季節にはぜひ筍も加えましょう!」との説明が書き添えられているものをいくつか見つけました。

やはりこのスープ、筍がおいしい季節に作って正解のようです。

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6)スープ・カレー

ゲーンプーバイチャプルー(แกงปูใบชะพลู)

バイチャプルーがたっぷり入った南部のカレー

日本でよく知られたタイカレーといえば、間違いなくグリーンカレーでしょう。で、ちょっとタイ料理に明るい人だとレッドカレーやマッサマンカレーなんかを知っていたり。でもタイのカレーの種類はそんなもんじゃありません。

今回紹介するこちらのカレーですが、「レッドカレーペースト」で作るレシピと「クアカレーペースト」で作るレシピとを見かけます。ちなみに、タイのクックパッドをはじめとするお料理サイトで紹介されているものは「クアカレーペースト」を使って作るものが多いように見受けられます。

ちなみに私の持っているこちらの本には、ナムプリック(カレーペースト)から作るレシピが載っていたのですが、材料を見たところ「レッドカレーペースト」でした。

「クアカレーペースト」と「レッドカレーペースト」の違いはざっくりいうとスパイスが入っているか否か。入っているほうがレッドカレー、いないほうがクアカレーです。よって、スパイスの入っていないクアカレーのほうが多少マイルド、と思っていただいてよいかと思いますが、大雑把な味覚しか持たない私自身、果たしてその違いを感じ取れるかどうか…かなり微妙です。

ゲーンプーバイチャプルーの材料

グリーンカレーも実はご飯と同じか、それ以上に麺が相性よし!なのですが、このカレーにも麺がとてもよく合います。具はシンプルに蟹と刻んだバイチャプルーのみ。ちなみに「バイチャプルー」は「ハイゴショウの葉」…と訳されたところで、ほとんどの人にとっては何の説明にもならないかと思います。

この葉を使った代表的なタイ料理の一つに、「ミヤンカム」がありますので、以前書いたこちらの記事をご覧ください。

他はいくつかの調味料とココナッツミルクのみで作れる、という非常にシンプルなタイカレーです。

ゲーンプーバイチャプルーの作り方

作り方はグリーンカレーと同じで、ココナッツミルクの一番搾りを油を引き出すように炒めたらカレーペーストを投入してよくよく火を通します。

他のカレーであれば、次にじっくり加熱しなければならない肉類を炒めるのですが、このカレーの具はバイチャプルーと蟹のみ。

よってバイチャプルーをわっさーっと加えて火を通し、

最後に蟹を加えてさっと火を通せば完成、という手軽さです。

カノムチンはないので素麺でいただきます!

このカレーと相性抜群の素麺をお皿に盛りつけてみた図。ちなみに、こちら撮影のためにかなり量を減らしました。実際は食べたのはこの3倍量です。

繊維質なバイチャプルーは火を通してもしっかりとした歯ごたえがあります。日本の葉物でいうと、明日葉っぽい感じ。ただ、味や香りに癖は全くないので、その点では食べやすいかと思います。

そしてなんといってもこのカレーのおいしさの肝は蟹ですよ、蟹。蟹が入ればあの強烈なうま味で大抵のお料理はおいしくなりますもんね。ということでその例にもれず、こちらのカレーも素晴らしく美味なのでありました。

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6)スープ・カレー

ゲーンチューマラ(แกงจืดมะระ)

豚挽肉と春雨を詰めたゴーヤのスープ

ゴーヤのあの苦み、味蕾の開発が十分でないまま大人になってしまった私はあまり得意ではありません…どころかちょいと苦手なレベル。ですが、最近はその苦みが控えめなゴーヤが日本でも手に入るようになってきました。ということで満を持してご紹介するのがこちらのスープ、「ゲーンチューマラ」です。

日本語に直訳するとゴーヤのあっさりスープ、といったところでしょうか。入っている具材や調理法まで含めて

  • ゲーンチューマラヤッサイ(ゴーヤの詰め物スープ)
  • ゲーンチューマラヤッサイムーサップウンセン(豚挽肉と春雨を詰めたゴーヤのスープ)

と表現することもあります。

แกงจืดมะระยัดไส้(วิธีทำมะระไม่ให้ขม) by ครัวตุ๊กตา – Pantip

สวัสดีค่ะ ไม่รู้ที่เมืองไทยจะคลายร้อนกันบ้างรึยังนะคะ แต่ที่อเมริกาเริ่มอากาศเย็นแล้วค่ะ คราวนี้ก็หาอะไรร้อน ๆ ซด คล่องคอกันดีกว่านะคะ วันนี้ ชวนมาทำมะระยัดไส้

こちらは「 ゲーンチューマラヤッサイ」で紹介していますね。

上の動画は「ゲーンチュー:マラヤッサイムーサップウンセン」と紹介しています。

ゴーヤのわたを取るのにステンレスレンゲがこの上なく便利な件。

このスープを作るにあたって、ゴーヤのわたをくりぬく必要があるわけですが、その際に大活躍するのが一番小さいサイズのステンレスレンゲです。タイの有名ステンレスメーカー、ゼブラ製。しかも使うのは主に持ち手の部分。


ステンレスレンゲならどのサイズでも良いかというと、さにあらず。今回なんとなく大きいレンゲを使ってみたらやりにくくて、途中でこの小さいレンゲに持ち替えました。

ゲーンチューマラの材料と作り方。

このゴーヤのスープの材料はとてもシンプル。調味料も使うのはたったの3種類。お肉を練る際に加えるシーズニングソースと、スープの味付けにナムプラーとシーユーカオを使うだけ。ちなみに、上の写真で真っ白に飛んでしまっているのは春雨です。

まずは叩いた豚肉と水につけて柔らかくしてから1センチ程度に切った春雨、刻んだキクラゲ、「3人の親友ペースト」、そしてシーズニングソースをボウルにいれてよく混ぜます。

肉ダネをわたをくりぬいたゴーヤに詰め、

鶏ガラスープを沸かして煮込むだけ。

ただ、これを日本のゴーヤで作ると笑っちゃうぐらい苦くなる可能性が大です。ゴーヤそものもはもちろんのこと、その苦みが溶け出したスープは「この苦いスープを飲めば、どんな病も治るのですね!もし治らなかったらどう責任をとってくださるのですか!」と神様に直訴したくなるレベル。それを避けたければゴーヤのみを15分ほど茹でて(もちろん、その茹でた湯は捨てますよ。)から使う、という手があるのですが、そうすると恐らく肉詰めにするのは不可能で…。

ということで結論。このスープを美味しく作りたければ、苦み控えめなゴーヤを何としても入手してくださいませ。

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6)スープ・カレー

ゲーンケーガイ(แกงแคไก)

北タイの郷土料理「ゲーンケー」

แกงแคไก่ อาหารเหนือพื้นบ้าน ที่อัดแน่นไปด้วยคุณค่าทางอาหาร

ถ้าใครยังไม่เคยลองทำอาหารเหนือ อยากลองเข้าครัวทำอาหารเหนือบ้างจัดให้ค่ะ วันนี้ทีมงาน Amarin Cuisine มีเมนู แกงแคไก่ อาหารพื้นบ้านภาคเหนือมาให้ลองทำกัน

「ゲーンケー」は北タイの郷土料理です。タイ語で「ゲーン」はカレーや汁物を意味し、「ケー」はバイチャプルー(ハイゴショウの葉)を指すタイ北部の方言だそうです。

「ゲーンケー」のタイ語「แกงแคไก」で検索した画像を眺めてみると、とにかくこのゲーンが具沢山だということがわかります。

個人的に好きでよく眺めているこちらの本には「料理の味や具材などをどうすればよいか人々に聞くと何でもよいという答えが返ってくる」「ゲーンケーに入れるべき決まった食材はなく、ゲーンケー唯一のルールは家にあるものを集めて作られるべきだということだ」とあるので、日本でいうところの「冷蔵庫の残り物をいろいろ入れちゃった汁物」という感じのお料理なのでしょう。

ちなみに、このゲーンには必ずお肉が入るのですが、先に紹介した本では「炭火で焼いたカエル」で作っておりました。そんなもんあるかーい。ということで、今回はポピュラーな鶏肉で作ってみます。

今回のゲーンケーに入るお野菜セットリスト

実際のレシピを調べてみると、北タイで「ケー」と呼ばれるバイチャプルーはもちろんですが、「パックペット」という名の辛味のある葉野菜、チャオム(これまたタイ料理を良く知っている人にしかわからないであろう臭い葉)、パクチーファランに瓜の葉、カーの葉っぱ…などに加えて、ナスの類いやささげ、ジャックフルーツ、キノコ類などなど、とにかくたくさんの野菜が入る模様。

ですが、今回はそういったタイならではのお野菜を揃えることはせずに、夏の日本で手に入るお野菜をふんだんに入れて作ってみることにしました。あれもこれもと欲張ったら、用意すべき分量(グラム)の軽く1.5倍になってしまいました。さて、どうなることやら。

ゲーンケーのペーストはこんな材料でできています。

このカレーのペーストの材料はとてもシンプル。他のタイカレーペーストに入るようなスパイス類はほとんど入りません。ゲーンパーのペーストと材料的には近い感じです。

ただ一つ特徴的なのはマックエン(花山椒)が入ることでしょうか。レシピによってはほかにカーを入れたり、プラーラーを入れるレシピもありました。

ゲーンケーガイの作り方。

こちらが今回の「ゲーンンケーガイ」のオールキャストです。

ちなみに、こちらのレバーはどこのレシピにも書いておりませんでしたが、個人的に好きなため、入れるべき肉の量を減らし、その分をこのレバーに置き換えました。下処理をささっとすれば臭みもなく、美味しくいただけますよ。

ペーストを作り、材料を全て切ってしまえばここからはあっという間です!

①フライパンに油を敷き、ペーストを加えたらよく馴染ませてから火にかけ、
中火で2分程度炒めます。

②次に鶏肉を加えて、ペーストを肉全体にからませます。ドックニュウ(木綿の花)はこれが入った料理写真を見かけて途中で投入を決めました。

③水を加えて沸騰させます。

まだ野菜類を全然入れてないのに鍋がいっぱい…。これはまずい。

⑤次にキノコや野菜類を入れ、蓋をして5分ほど煮ます。

蓋、しまってないね。


⑥最後にナムプラーと少しの砂糖で味を調え、2分ほどさっと煮たらできあがり!

相変わらず少量を作るということができませぬ。今回も軽く6人前が完成しました。週の半分は一日二食、このゲーンケーガイをいただきますよ。

いろいろなお野菜やハーブ類が入ったゲーンケー、マックエンの爽やかな香りも加わって非常に軽いです。辛さもそれなりにあるのですが、体に良いものを摂取している感じがして、食べていてとても気持ちが良いお料理です!

お野菜なら何を入れても間違いなく美味しい「ゲーンケー」。これからは中途半端にお野菜があれこれ残ったら、このゲーンにしてしまおうと思います。

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6)スープ・カレー

トムヤムプラー(ต้มยำปลา)

2種類の「トムヤム○○」

「トムヤム」と名の付く料理と言えば「トムヤムクン」が有名でしょう。辛味、酸味、甘味が渾然一体となった赤くミルキーでコクのあるスープ。私も大好きです。

実は私たちがよく知る「トムヤムクン」、正式には「トムヤムクン・ナーム・コン」と言います。「ナーム・コン」とは「濃い水」という意味。そしてもう一つ、日本ではあまり知られていないのが「トムヤムクン・ナーム・サイ」です。この「ナーム・サイ」にはココナッツミルクが入らないため、スープは透明で、素材の味はもちろん、辛味や酸味がダイレクトに感じられます。

今回ご紹介するのははすっきりした「ナームサイ」バージョンの「トムヤムプラー」。とても美味しい鰤がメイン食材なので、その美味しさを前面に出したく、クリアスープのトムヤムを選択しました。

「トムヤムプラー・ナーム・サイ」の作り方

まず始めに、鰤のアラとレモングラス、バイマクルーを煮立て、出汁を取ります。

鰤からシュワーっと細かな泡が出続けるぐらいの火加減をキープすること30分。

できあがった出汁を濾して別の鍋に入れ、そこに鰤、エリンギ、タイハーブと調味料を加え、鰤に火が通ればできあがり。

万能ネギとパクチー、唐辛子を入れた器に、完成したスープを注ぎます。

旨いなー、文句なしに旨い。そしてこちらのクリアスープも日本人のみなさま、好きだと思うんだけどなー。この美味しさをぜひ多くの方に知っていただきたいです。

ちなみに、この作り方はあくまでも一例です。もっとたくさんのレシピがありますので、気になる方は検索してみてください。

このペンシー先生の本には「ナーム・コン」と「ナーム・サイ」2種類のトムヤムクンが紹介されています。海老を魚に変えれば「トムヤムプラー」になりますよ。