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1)野菜・果物

すずめなす(マクアプアン/มะเขือพวง)

「すずめなす」、 日本語で「西播茄子」とも呼ばれると言われたところで、「それ何?」という食材。

フレッシュな「すずめなす」を見つけたので買ってみました。日本では超マイナーだけれど、タイ料理では「グリーンカレー」などに加えるおなじみの食材。

タイ食材店では冷凍したものが常に売られています。プチっとした食感と苦みがお料理の良いアクセントになってくれます。

簡単に実が外れると思いきや、下処理が思いのほか大変だったすずめなす。

実がポロポロ取れるだろうから、それを洗って水気を拭いて冷凍すればOKね!と思っていたら、その実を外すのがとてもとても大変でした。

手で外しているうちに、爪が痛くなってきて、途中からはさみを使ったほど。しかもはさみだと、軸の根っこみたいなものが実に残って、それを爪楊枝で取り除いて…と、割と地味な作業を黙々と続けてようやくここまで来た、という感じです。

あとはこうしてザルに上げ、水気を切ってさらにキッチンペーパーでしっかり拭いたものを冷凍しました。…結局冷凍するなら、最初から冷凍品を買えよと言われそうですが、フレッシュなものを一度使ってみたかったのですよ。

すずめなすを使ったタイ料理

すずめなすと言えばまずはこちら、グリーンカレーでしょう!日本でよく知られたタイ料理の一つですね。しかしながら、巷のタイ料理店ですずめなすを入れているところは少ないので、食べたことがない方も多いかと思います。かくいう私も、手元にすずめなすがあれば入れますが…という感じ。でも入ると、あのほのかな苦みが良いアクセントになってくれて「やっぱりすずめなすが入っていた方が好きだなぁ。」と思います。

こちらのグリーンカレーも鶏肉がメイン食材なのですが、なんと鶏のレバーもたっぷり入っていたため、「これはおいしそう!」(レバー好き。)と思いご紹介することにいたしました。おいしい鶏のレバーを手に入れたら作ってみよう。

こちらはナムプリックカピ。すずめなすの姿が見えていますが、実は作る過程で石臼にすずめなすを放り込み、叩き潰しています。

こちらはタイ人大好き(たぶん)なナマズのレッドカレー。

炒め物に加えたりもするようです。

苦みがこのすずめなすの特徴だと最初に申しましたが、「良薬は口に苦し」に偽りなくこの食材、 ベータカロテン、ビタミンA、鉄分などが豊富で、抗酸化物質も多く含むのだとか。ということでこちらのすずめなすが入っているタイカレーに遭遇しましたら、「ナニコレ?」と避けて残すことなく、ぜひその苦みと栄養価を存分に味わってくださいませ。

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1)野菜・果物

ガパオ(กะเพรา)

英語名「Holy basil」、薫り高いタイハーブです!

「ホーリーバジル」で検索すると、「トゥルシー」 というインドの伝統医学アーユルヴェーダ における呼び名や、効能などがたくさん出てきます。世界的にはメディカルハーブの一つとして知られているようです。

が。タイ料理好きな私の認識は、良き香りを持つタイ食材の一つ。多くの日本人も「ガパオライス」は聞いたことがあるかと思います。この「ガパオライス」という言い方が正しいかどうかはさておき、その「ガパオ」の正体がこちらです。

タイ料理ではこの葉を摘んで使うのですが、灰汁が強く、料理で使う葉を摘み終わる頃には指先や爪が真っ黒になります。ただし、先にも書いたようにその香りは絶品!料理には最後に加えて、火を通すのはさっと。葉が鮮やかなグリーンになればそこでOK。

食べた際、口の中に広がる芳香はこのガパオならでは。決して他のものでは代用できません。

傷みやすいガパオは新鮮なうちに茹でて冷凍がおすすめ。

さて、このガパオなる葉物、非常に傷みやすく、なんなら葉を摘んで洗い、その辺にちょっと置いておくだけで色が黒ずんできてしまいます。冷蔵庫で保存しておいても同じ状況に。

よってこのガパオ、新鮮なものが手に入ったらその日のうちに冷凍保存まで持ち込んでしまいましょう!まずは葉を摘んでボウルに水をためて洗い、

大きめの鍋に沸かしたたっぷりのお湯で色が変わる程度にサッと茹で、

その後、冷水にさらして熱を完全に取ります。その後水からガパオを引き上げ、

ぎゅっと水気を絞り、使いやすい分量のお団子に 。

最後に、先の「ガパオ団子ちゃん」を一つずつラップに包み、フリーザーバッグに入れて冷凍庫に放り込めば作業完了です!

使う際には数時間前から冷蔵庫に移動してゆっくり解凍、がベストですが、お急ぎでしたら常温に放置、ラップごとぬるま湯に放り込む、レンジの解凍機能を使う…等々、好きにしてOKです。

「赤ガパオ」は、より薫り高いシロモノなのでおすすめ、だそうです。

ちなみに、ガパオには上の写真のように、赤い品種が存在します。こちらの赤ガパオの方がスパイシーで薫り高くお勧め、とは、とあるタイ料理の先生の教え。

以来、ガパオを買う時に赤があれば、迷わずそちらを買うようにしています。いつか、その違いが分かった上で選ぶ人間に私もなりたい…と思ってはいるものの、その道のりはかなり険しそうです。

ガパオを使ったおいしいタイ料理たち。

ガパオを使ったタイ料理といってまず一番に思い出させるのは当然こちら、何かしらのお肉とガパオを一緒に炒めた、日本で一般的に「ガパオライス」と称されることのあるアレです。でもその呼び方だと「お肉はどこに行っちゃったんだよ。」という話になるのですが、もうここまで「ガパオライス」が浸透してしまった今となっては致し方ないのかしら…と半ば諦めた気持ちでおります。

ちなみに上は「鶏肉×ガパオ」バージョン。他にも「豚肉×ガパオ」とか

「海老×ガパオ」もあるし、

ピータンバージョンもあります。さらにこの一皿は「揚げガパオ」付き。これがまたおいしいのです!

そうそう。先ほど「海老×ガパオ」が登場しましたが、「イカ×ガパオ」もなかなか良きです。

さらには炒め物ではなく、こんなガパオの使い方もあります。

この通り、ガパオはいろいろな食材と相性良しです。特に炒め物!よってガパオを炒め物に加える際には、鶏肉や豚肉にメイン食材を限定せず、いろいろ試してみていただきたいです。意外なおいしさ、お気に入りの味を発見できるかもしれませんよ!

それにしても日本語表記がどうして「ガパオ」になったんだろうなー。タイ語の発音を何度聞いても「カプラーォ」と聞こえるの、私だけ?

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1)野菜・果物

こぶみかん(マクルー/มะกรูด)

タイ料理に葉が欠かせない柑橘「マクルー」。

このゴツゴツした皮。日本語で「こぶみかん」とは良く言ったものです。タイ語では「มะกรูด(マクルー)」と言いますが、こちら、実以上に葉の「バイマクルー」が有名です。

つい先日、観察日記を書いたばかりのこちらです。そう。この木をうまく育てると、「こぶみかん」が実ります、おそらく。

このこぶみかん、葉はもちろん、この果実も非常に良い香りがします。果肉は酸味が強く、オレンジのように食用にはできませんが、その果汁はレモンやスダチ、柚子のように使うことができます。

こぶみかんの使い方①~「皮」

さてこのこぶみかん、どこをどう使うかというと、まずは皮。

日本の柚子であれば刻んだ皮をお料理に添えてそのままいただいたりしますが、こぶみかんをそのように食すタイ料理には未だ出会ったことがありません。私が知るタイ料理におけるこぶみかんの皮の使い方といえばこちら。

これらをすべて石臼で叩き潰すとレッドカレーペーストになるのですが、

その材料の一つとしてこのこぶみかんの皮が入るのです。手持ちのタイ料理本を見たところ、

  • グリーンカレーペースト
  • レッドカレーペースト
  • ゲーンパーペースト
  • パネンカレーペースト
  • クアクリング(南部のスパイシードライカレー)ペースト

これらの材料に「こぶみかんの皮」、とありました。

他にどんな使い方をするのかしら…と思い調べてみると、かなり薬効が高いようで、エッセンシャルオイルとして使われたり、漢方薬のような使われ方をすることもあるようです。

こぶみかんの使い方②~「果実&果汁」

こぶみかんの果汁や果実を使うタイ料理としてまずご紹介したいのはこちら、「ゲーンテーポー」です。空心菜と豚バラ肉で作るレッドカレーですが、このゲーンの酸味付けにこぶみかんが使われます。

本場タイのレシピを見る前は、果汁を絞って入れるとか、せめてスライスしたものを何枚か加えるといった使い方を想像していたのですが、割と多くのレシピが半分に割ったマクルーを丸っと入れていてびっくり。

ほら、これも丸ごと入ってる(笑)。

お次はタイに古くからある宮廷料理、「センワークン/แสร้งว่ากุ้ง」。こちらにはマクルーの果汁が入ります。

こちらのタイトルには「200年前の宮廷料理」と書いてあって、内容はこの料理のルーツの説明になっています。とても興味深い。…のですが、そこを詳しく掘り下げるのは、いつかこのセンワークンをご紹介するとき…にします。

他にもいろいろありますが、きりがないのでここまで。ただ、残念なことに日本でこのフレッシュなこぶみかんを手に入れるのは容易ではありません。結果、本来であればこぶみかんの果汁を使用するタイ料理のレシピは、日本で紹介される際には、レモン汁やライム汁に置き換えられてしまっています。

フレッシュなこぶみかんが手に入ったら

タイ食材店でも滅多にお目にかかることのないこぶみかん。この写真にうつるこぶみかんさんとも、東新宿にあるアジアスーパーストアーで偶然2021年の夏に出会ったきり、その後一度もお目にかかっていません。

そんなこともあろうかと思って…いたわけでは決してないのですが、このこぶみかんの皮を上の写真のように剥いて

大事に大事に冷凍保存してあります。そう頻繁にカレーペーストを作るわけではないので、1年半経った今もまだ在庫ありです。でも香りがポイントのこぶみかん、そろそろ新しい皮を入手したい。またどこかで出会えたら良いな…と思う今日この頃です。

ちなみに、果汁は先にご紹介したようなタイ料理を作るのがベスト!ではありますが、レモンをぎゅっと絞るようなお料理にレモンの代わりに使ってみたり、あるいはもっと簡単に、素敵な香りと酸味を生かしてお酒を割って飲む際に加えてしまいましょう!美味しいよ。

最後に余談。「こぶみかん」と入力して、うっかり変換キーを押してしまうと「子踏み感」と出るマイパソコン。私は普段何を入力して、マイパソコンはそれをどう学習しているんだろうか。

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1)野菜・果物

レモングラス(タクライ/ตะไคร้)

レモングラスと聞いて、例の乾燥ハーブを想像することなかれ。

日本人がレモングラスと聞いて思い浮かべるのは、乾燥させたもの、主にハーブティーなどに入っているアレかと思います。が。タイでレモングラスといえばこちら。

これを本当によく使います。すっきりとした素晴らしく良き香りがします。しかもこれ、薄く切れば食べても美味しいのです。あ、揚げても美味です。

とにかくタイ料理がタイ料理らしくあるために、欠かせない食材の一つです。

タイ料理におけるレモングラスの使い方。

薄切りにして生のまま食す。

 レモングラスを生のまま食べる場合は、根元の部分を1センチほど切り落とし、表皮を一枚剥いて、その中を薄く輪切りにして使います。柔らかい部分は上の写真をご覧いただいて分かるように、内側に薄紫の輪が見えます。これが見えなくなったら切るのはそこまで。おそらく2/3は余ってしまうかと思いますが、それはお湯で煮出してレモングラスティーにすれば美味しくいただけます。

この薄切りレモングラスが入ったタイ料理の中で、私が一番好きなものはこの「ヤムタクライ」!お酒にはもちろん、ごはんにもよく合う素晴らしいヒトシナです。

軽く叩いて斜めに大胆カット、はスープ用。

軽く叩いて斜めにザクザクとカットしたレモングラスは、こうして他の香味野菜と共に煮込み、スープにその香りを移すという使い方をします。

有名なタイのスープ、「トムヤムクン」にもこの通り、大きくカットされたレモングラスが入っています。

魚のうま味が凝縮されたクリアスープの「トムヤムプラー」にも。

この場合、レモングラスは基本的に食べません。レストランでスープの中に入っているのを見かけたら、最後までそっとしておいてあげましょう。

ガンガン叩いてバラバラにしたら、粉をまぶして揚げる手もあり。

この一見すると揚げネギか何かと見間違ってしまいそうなこちら、これ、レモングラスです。

レモングラスを7~8センチの長さに切ったら、石臼に放り込んでサークでガンガン叩きます。で、バラバラになったら粉をたっぷりまぶし、油で揚げます。すると、そのまま食べても美味しいスナック的なトッピングの完成です。ただしこれ、冷めて湿気を帯びてしまうと、その美味しさが嘘のように消えてしまうので要注意。熱々の揚げたてをいただくことを激しくおすすめします。

レモングラスを使ったタイ料理教室、過去レッスンまとめ。

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1)野菜・果物

タロイモ(プアック/เผือก)

「タロイモ」は総称だと初めて知った件。

タイ料理教室でごくたまに遭遇するタロイモ。レシピにも「タロイモ」と書かれているので、それが品種名かと思っていたら何と。

サトイモ科サトイモ属の植物で、オセアニアの熱帯から温帯にかけて広く栽培されているものの総称であることをこの度初めて知りました。日本で手に入るタイ産のタロイモはやたらと大きく、上の写真の物で350gほどあります。そしてこの子の品種はというと謎。どなたか、ご存じでしたらぜひぜひご教授ください!

冷凍タロイモを美味しく食べる方法。

冷凍タロイモを美味しく調理するにはちょっとしたコツがあります。それは良き加減に解凍すること。室温が20度程度の季節なら1時間ほど常温に放置します。

さすればこの通り。サクサク包丁が入るので、それを使いたい大きさに切ればOKです。

「タロイモは半解凍」これ、大事。

タロイモの食べ方、お料理編。

先の要領で切ったタロイモは、お料理に使うならその切ったものをそのまま揚げたり、あるいは炒めている鍋に放り込んだりします。こちらは中華系タイ料理の炊き込みごはん。

あいにくタロイモさんの姿が見えませんが、やや粘り気のあるホクホクとした食感が美味です。

タロイモの食べ方、お菓子編。

タロイモはスイーツの材料としても優秀な食材。スイーツにする場合にはこうして蒸気の上がった蒸し器で十分ふっくらと柔らかくなるまで蒸し、それを潰したり濾したりしから使います。

タロイモプリン「カノムモーゲン」。

タロイモを良くマッシュし、砂糖と油で練り上げて餡に。

それを具にしたカリーパフなんて軽食もあり。それからこちら。

カオトムマットにもタロイモを包んだバージョンがあります。

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マノーラ タロイモチップス 32g
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スイーツはまずまずのバリエーションですが、お料理で他にどう使うのか気になるところです。

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1)野菜・果物

ガチャイ/クラチャイ(กระชาย)

かなりのパワーを秘めたタイハーブ、「ガチャイ」。

こちらは火星人…ではなく、ショウガ科に属する植物でタイでは「 กระชาย (ガチャイ)」と呼ばれます。

日本語では「 オオバンガジュツ 」などと呼ばれることもあるようですが、それも漢方や生薬の世界で用いられる程度で、一般にはほとんど知られていないかと思います。タイ語で検索して、ようやく様々な情報に触れることができる、といった感じです。

タイ料理では魚や肉の臭み消しとして使われることが多いガチャイですが、漢方や生薬の世界では 美容・健康に有用な機能性のある植物として知られているようで、様々な効果が記されているのを見ました。え、そんなに良いなら毎日食べちゃおうかな♪と思ったほど。なかなか優秀な食材のようです。

タイ料理におけるガチャイの使い方。

ガチャイが使われるタイ料理としてまず思いつくのが「パッチャー○○」という炒め物。

この「パッチャー」、メイン食材として魚介類が使われるのですが、どうやらガチャイはその臭み消しとして加えるようです。

ナムプラーラーが入った煮物にももちろんガチャイが入ります。しかもたっぷりと。それから、タイカレーのペースト各種にもこのガチャイは入っています。そう考えると、このガチャイ、私たちはどうも知らぬ間に口にしているようです。

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1)野菜・果物

ホムデン(หอมแดง)

ヤムに、スープに、ペーストに、とにかくタイ料理に欠かせない「ホムデン」

日本では「赤わけぎ」と呼ぶそうですが、私はタイ料理を習うようになって初めてこの野菜の存在を知りました。

こちら、これでも大ぶりな部類に入るホムデン。普通の玉ねぎと同じように皮を剥いて使います。旨味も風味もぎゅっと濃縮されている感じの小玉ねぎ。ニンニクやプリッキーヌと同じぐらい、様々な料理に使うこちらもまた、タイ料理には欠かせないお野菜です。

ホムデンの使い方。

1)薄切りにして生のまま

ヤムトゥアプー
ヤムヌアアグン

日本でも薄くスライスした玉ねぎをサラダに入れることがありますが、ホムデンも同じように薄切りにしてヤムに生のまま加えます。

北タイの名物料理、カオソーイではこの生のホムデンが必ず添えられていました。薬味的な使い方ですね。

2)丸ごとスープの出汁に

グツグツ煮込んでスープの出汁、兼具材に。
完成したトムヤムクン

皮を剥いて軽くつぶしたホムデンを丸ごとスープに放り込み、ホムデンの旨味を出汁にしつつ、具材として食べてしまうという使い方もします。

このスープと似た使い方としては、タレを作る際にやはりその煮汁の中に放り込んでホムデンの風味を出す、なんて調理法もありです。

3)生のまま、時に焼いてペーストに。

それから各種ペーストを作る際にもホムデンは欠かせません。生のまま使うこともあれば、一度焼いたものを使用する場合もあります。

いずれにせよ、各種カレーペーストには間違いなくこのホムデンが入っています。とにかくタイ料理にこのホムデンは欠かせないのです。

4)揚げても美味しいホムデン

こちら、好物のカオクルックガピですが、お皿の手前にのっているのが揚げたホムデンです。揚げたことにより旨味が凝縮され、香ばしさも加わり美味!

タイ料理に限らず、お料理がなんか物足りないなーという時、この揚げホムデンを振りかけるとぐっと美味しくなるので、とにかく便利に使っております。

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1)野菜・果物

バナナの葉(バイトーン/ใบตอง)

タイ人とバナナ。

熱帯の国タイとバナナは切っても切れない関係にあり、実も葉も生活に深く根付いています。日本で売られているバナナの種類は数えるほどですが、タイ国内で流通しているバナナは50種類とも100種類とも言われています。

それだけに食べ方も多様で、焼きバナナにしたり、他の具材と蒸したり、ペースト状にして粉と合わせやはり蒸したり、はたまた揚げたり…と、様々に調理されます。

日本では火を通さずに食べるのが主流のため、熟したものが好まれますが、火を通して食べる事も多いタイでは、未熟な酸味のある青いバナナが売られているをよく見かけました。

バナナの葉も大活躍!

そして、実もさることながら、こちらのバナナの葉もタイ料理には欠かせません。

丸くくりぬいたバナナの葉を外表にして2枚重ねたものの四隅を楊枝で留め、

大好き!ホーモック。

器として使ったり。

味を付けた春雨や肉などを包んで…

蒸したり、はたまた…

こちらはタイの定番お菓子、「カオトムマット」ですが、お菓子を作る際にも大活躍です。

家庭で作る際には蒸し器で蒸すのが一般的かと思いますが、タイではこれを焼くことも。すると香ばしさが加わって、さらに美味しくなります。

バナナの葉は火で炙って使う。

艶のある方が表。

以前「カオトムマット」を紹介した際にも載せましたが、日本に輸入されている葉は固く、そのまま何かを包むことはできません。もし力ずくでそれをやったら、バナナの葉がバリバリと裂けてしまいます。

そんな固いバナナの葉を柔らかくするには「火で炙る」こと。

火に触れた部分から葉がツヤツヤになっていくのがわかります。全体に艶が行き渡ったらOK。あとは両面を濡れ布巾できれいに拭けば準備完了です。