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2)炒め物

ネームと卵と春雨の炒め物(パットネームウンセンサイカイ/ผัดแหนมวุ้นเส้นใส่ไข่)

「サイカイ/ใส่ไข่」は卵入り、という意味です。

上のレシピでは「ネームパットウンセンサイカイ」という名前で紹介されている今回の料理、入る主な具はタイの発酵ソーセージ「ネーム」と「春雨」そして「卵」なのですが、料理名に春雨が入っていたりいなかったり、ネームが先頭に来たり来なかったりといろいろな呼び名があります。

この料理の主役はもちろん「ネーム」。

普通の豚肉を使ってもおいしいのですが、発酵食品特有のうまみはやっぱり特別。ネームを何本か買うと、うち1本はこの料理に使ってしまうほど、好きな料理の一つです。

ネームと春雨と卵の炒め物の材料。

材料はごくごくシンプルで右上が春雨、こちら水に浸してあります。それからちぎったネーム(左下)。赤いトレイに乗っているのは玉ねぎと赤ピーマン、ざく切りにした万能ねぎ、卵、そして合わせ調味料です。

ネームと春雨と卵の炒め物の作り方。

まずは熱したフライパンでちぎったネームを炒めます。

次に玉ねぎと赤ピーマンを炒めて、

続いて春雨を加えて…

そうそう。卵は最初にふわっと炒めて取り出しておくんでした。調味料を入れたらその炒め卵を戻し入れまして、よく混ぜます。

最後に万能ねぎを加えてひと混ぜしたらできあがり。

ご飯にも合うし、酒の肴にもなりますよ。

こちらの炒め物、味をつける調味料の一つとしてオイスターソースを加えるのですが、それでおおよその味を想像していただけるかと思います。

ご飯にももちろんぴったりですし、酒の肴にもなります。しかも辛くないので、辛い物が苦手な方にも安心して召し上がっていただけるタイ料理です。おいしいよ!

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1)ごはん・麺

パイナップルチャーハン(カオパットサッパロット/ข้าวผัดสับปะรด)

パイナップルの酸味と甘みがおいしさの肝、な南国感あふれるチャーハン

酢豚にパイナップルはアリかナシか、人生においてこの論争に巻き込まれたことがある人は少なくないはず。論争…は言い過ぎにしても、フルーツが食事系の食べ物に入ることに抵抗を覚える人が日本人には一定数いる、というのが私の感覚です。

かくいう私は以前からどんな食べ物も割とすんなり受け入れるタイプではありましたが、タイ料理歴が長くなるにつれて、お料理にフルーツを使うことに抵抗がなくなるどころかそのおいしさに開眼し、今となっては何の疑問も感じません。ソムタムに混ぜご飯に、炒め物に、フルーツが入るからこそ美味なるメニューがタイ料理にはたくさんあって、なんなら白メシとフルーツを一緒においしく食してしまうほど。

今回ご紹介するパイナップルチャーハンも然り。パイナップルの酸味と甘みがターメリックやナッツの香ばしさと相まって非常に美味。ぜひ一度、味わってもらいたいタイ料理の一つです。

タイ式パイナップルチャーハンの材料。

こちらがパイナップルチャーハンの材料ですが、日本の「おうちのチャーハン」と比べても特に材料が多いわけではなく、割とシンプルです。

特徴はもちろん、メイン食材であるパイナップルと、「合わせ調味料」にターメリックが入ること。ターメリックのことをタイ語では「カミン/ขมิ้น」と言いますが、このカミンを料理に加えるのは主にタイ南部。ということでこのチャーハンもタイ南部のお料理です。

パイナップルチャーハンの作り方。

おそらくブログに載せることを考えないなら、チャーハンに加えるパイナップルはスーパーでカットタイプを買ってきて間に合わせるでしょう。ということでこちら、完全によそ行きバージョンです。

余談はさておき、まずは出来上がったチャーハンを盛り付けるための「パイナップルボート」を作ります。適当な大きさのパイナップルを縦半分に割り、中身をくりぬくだけです。

ここからは、他のタイ式チャーハンとほぼ同じ作り方になります。初めにフライパンをしっかり熱してから油を適量入れ、エビをさっと炒めたらいったん取り出してから卵、ご飯、合わせ調味料、その他の具材の順でフライパンに加え、炒めていきます。

最後に炒ったカシューナッツとレーズンを混ぜ込めば完成です!

とある日のパイナップルチャーハンランチ。

完成したとある日のパイナップルチャーハン定食。ですがこれ、よく見るとチャーハン以外、タイ料理でもなんでもありません。。。

ターメリックってどうしてこうも食欲をそそる香りをしているのでしょうか。そこに加えてナッツや炒めたエビの香ばしさ、ニンニクの風味、何よりパイナップルの酸味と甘み。様々な味が口の中に広がるパイナップルチャーハン。簡単なのにおいしくてしっかり異国の味!なのに日本人の口に合うこと間違いなし。タイ料理初心者さんにこそ、作ってみてほしいヒトシナです。

最後にこちらのレシピは、えんどう豆とタイの中華ソーセージを入れるのが面白いな…と思って載せてみました。こちらはタイ料理にちょっと詳しい方向けの情報。お時間があったらぜひのぞいてみてくださいませ。

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1)野菜・果物

ガパオ(กะเพรา)

英語名「Holy basil」、薫り高いタイハーブです!

「ホーリーバジル」で検索すると、「トゥルシー」 というインドの伝統医学アーユルヴェーダ における呼び名や、効能などがたくさん出てきます。世界的にはメディカルハーブの一つとして知られているようです。

が。タイ料理好きな私の認識は、良き香りを持つタイ食材の一つ。多くの日本人も「ガパオライス」は聞いたことがあるかと思います。この「ガパオライス」という言い方が正しいかどうかはさておき、その「ガパオ」の正体がこちらです。

タイ料理ではこの葉を摘んで使うのですが、灰汁が強く、料理で使う葉を摘み終わる頃には指先や爪が真っ黒になります。ただし、先にも書いたようにその香りは絶品!料理には最後に加えて、火を通すのはさっと。葉が鮮やかなグリーンになればそこでOK。

食べた際、口の中に広がる芳香はこのガパオならでは。決して他のものでは代用できません。

傷みやすいガパオは新鮮なうちに茹でて冷凍がおすすめ。

さて、このガパオなる葉物、非常に傷みやすく、なんなら葉を摘んで洗い、その辺にちょっと置いておくだけで色が黒ずんできてしまいます。冷蔵庫で保存しておいても同じ状況に。

よってこのガパオ、新鮮なものが手に入ったらその日のうちに冷凍保存まで持ち込んでしまいましょう!まずは葉を摘んでボウルに水をためて洗い、

大きめの鍋に沸かしたたっぷりのお湯で色が変わる程度にサッと茹で、

その後、冷水にさらして熱を完全に取ります。その後水からガパオを引き上げ、

ぎゅっと水気を絞り、使いやすい分量のお団子に 。

最後に、先の「ガパオ団子ちゃん」を一つずつラップに包み、フリーザーバッグに入れて冷凍庫に放り込めば作業完了です!

使う際には数時間前から冷蔵庫に移動してゆっくり解凍、がベストですが、お急ぎでしたら常温に放置、ラップごとぬるま湯に放り込む、レンジの解凍機能を使う…等々、好きにしてOKです。

「赤ガパオ」は、より薫り高いシロモノなのでおすすめ、だそうです。

ちなみに、ガパオには上の写真のように、赤い品種が存在します。こちらの赤ガパオの方がスパイシーで薫り高くお勧め、とは、とあるタイ料理の先生の教え。

以来、ガパオを買う時に赤があれば、迷わずそちらを買うようにしています。いつか、その違いが分かった上で選ぶ人間に私もなりたい…と思ってはいるものの、その道のりはかなり険しそうです。

ガパオを使ったおいしいタイ料理たち。

ガパオを使ったタイ料理といってまず一番に思い出させるのは当然こちら、何かしらのお肉とガパオを一緒に炒めた、日本で一般的に「ガパオライス」と称されることのあるアレです。でもその呼び方だと「お肉はどこに行っちゃったんだよ。」という話になるのですが、もうここまで「ガパオライス」が浸透してしまった今となっては致し方ないのかしら…と半ば諦めた気持ちでおります。

ちなみに上は「鶏肉×ガパオ」バージョン。他にも「豚肉×ガパオ」とか

「海老×ガパオ」もあるし、

ピータンバージョンもあります。さらにこの一皿は「揚げガパオ」付き。これがまたおいしいのです!

そうそう。先ほど「海老×ガパオ」が登場しましたが、「イカ×ガパオ」もなかなか良きです。

さらには炒め物ではなく、こんなガパオの使い方もあります。

この通り、ガパオはいろいろな食材と相性良しです。特に炒め物!よってガパオを炒め物に加える際には、鶏肉や豚肉にメイン食材を限定せず、いろいろ試してみていただきたいです。意外なおいしさ、お気に入りの味を発見できるかもしれませんよ!

それにしても日本語表記がどうして「ガパオ」になったんだろうなー。タイ語の発音を何度聞いても「カプラーォ」と聞こえるの、私だけ?

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6)スープ・カレー

レッドカレーペースト(ナムプリックゲーンペット/น้ำพริกแกงเผ็ด)

タイカレーのルー的存在、ナムプリックゲーン。

日本のカレーもインドカレーやら、スリランカカレー、ネパールカレーにスパイスカレーと多様になってきましたが、それでもまだまだ「おうちで作るカレー」といえば、肉、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎを具にしたカレールーで味を決めるものが一般的かと思います。

タイのカレーにも日本のカレーにおけるルー的な存在がありまして、そちらがこのカレーペースト(ナムプリックゲーン)です。塩やガピによっていくらかの塩味がついてはいるものの、ナムプラーやココナッツシュガーなどを加えて味を調えなければならないところは相違点。それでも、タイカレーの種類によって異なる色や風味の大部分はこのペーストによるもの、と考えると「日本のカレールーと同じ感じ!」と言ってよいかと思います。

レッドカレーペーストの材料

こちらが今回作るレッドカレーペーストの材料です。

ちょっと興味があったので、手持ちの料理本やタイの方が本国の料理レシピサイトで紹介している作り方などを見て、使用している材料を一覧にまとめてみました。

レシピによって若干の違いはあるものの、材料はほぼ共通していました。ただ、☆印のレシピのみ、ガチャイとガパオが入っていてなかなか興味深い。こちら、タイのとあるご家庭のものですが、お母さんから教わったレシピとのこと。紹介文の中に「ガパオは個人的な好み」と書いてありました。

レッドカレーペーストの作り方

まずはスパイス類を石臼ですり潰し、

このように、パウダー状になったらいったん取り出しておきます。

次に、料理用ハサミで数ミリ幅に切り、種を取ってから水に浸しておいた乾燥唐辛子の水気をきっちり絞り、塩と一緒に石臼で叩きます。

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私が10年来愛用しているキッチンバサミ。この10年の間にお値段が3倍近くになっているのには驚き!という余談はさておき。

唐辛子が滑らかな状態になったら(唐辛子はほかの材料が加わると叩きにくくなるため、根気強く初めに叩いておく必要ありです。)、水気の少ないものから順に加えていきます。まずは細かい輪切りにしたレモングラス。

お次はニンニクとホムデン。

ガピを加えたら、叩くというよりガピが全体に行き渡るように混ぜ込みます。

最初にパウダー状にしておいたスパイスたちを戻しいれ、よく混ぜたら…

レッドカレーペースト、完成です。

手作りレッドカレーペーストで作る料理は絶品です。

このレッドカレーペースト、カレーはもちろん、炒め物や蒸し物などに加えることもあり、その使い方は多様。

タイのさつま揚げ、トードマンプラーもレッドカレーペースト入り。

大好きなタイのふわふわ蒸し物、ホーモックにもレッドカレーペースト。

このレッスンで作った豚肉といんげんのピリ辛炒め、「パットプリックキン/ ผัดพริกขิง 」も味の決め手はレッドカレーペーストです。

このようにいろいろなタイ料理に使われるレッドカレーペースト。思った以上に使える優秀な子です。


おすすめの「ニタヤ」のカレーペースト。ただし、このメーカーのものは大袋が主流で、使い切りサイズはなかなかお見掛けしません。


日本でメジャーなのはこちらのメープロイ。ニタヤに比べると塩味や辛味が強めではありますが、十分おいしいので購入する場合には使い勝手が良いほうをどうぞ。ただし、いずれも手作りのおいしさにはかないませんが。(←それはそう。)

しかしながら小一時間石臼と向き合い、孤独な戦いをすることが肉体的・精神的に難しい場合には、私もニタヤペーストのお世話になっています。

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2)炒め物

ソフトシェルクラブの黒胡椒炒め(プーニムパットプリックタイダム/ปูนิ่มผัดพริกไทยดำ)

ソフトシェルクラブの一番好きな食べ方、黒胡椒炒め。

タイ料理でソフトシェルクラブと言えば、プーニムパッポンカリーが最も有名かと思います。私がタイ料理にはまるきっかけともなった料理でもあり、個人的には思い入れもひとしお。

しかしながら、正直に申し上げましょう。この黒胡椒炒めを習ってしまったら、簡単だしおいしいしで非常に気に入ってしまい、作った回数もパッポンカリーの倍以上かと。ご飯に合うのはもちろんのこと、お酒にも種類を問わずよく合うのです!呑兵衛さんに心からお勧めするタイ料理でもあります。

ソフトシェルクラブは手間を惜しまず揚げましょう!

この黒胡椒炒めを作るにしろ、パッポンカリーを作るにしろ、加えるメイン食材はぜひぜひ油で揚げてください!今回は「プーニム」が主役ですが、ほかに烏賊やエビ、ホタテなどの海鮮、あるいは鶏肉などで作ってもおいしいです。が、いずれもやはり、粉を軽くまとわせてカラリと揚げてください。

揚げずにそのままフライパンに放り込んで炒めるレシピも多いですし、その作り方が決して手抜きなわけではありません。でもね、揚げることによって食材が香ばしくなり、断然おいしくなるのです!ということで、くどいようですが、メイン食材はぜひ揚げてください。

ソフトシェルクラブの黒胡椒炒め、作り方。

まずはメインの香辛料、黒胡椒とタイハーブのたぐいをクロックで叩き、ペーストにします。

これを熱したフライパンに油を敷いて炒め、良き香りがしてきたら野菜の類をすべて加えて強火で手早く混ぜます。

そして、野菜に火が通ったら(この炒め加減は完全に好みの問題です。シャキシャキが良ければ1分程度でよいでしょうし、くったりしたお野菜が好きならもっと長い時間炒めてください。)揚げたメイン食材を加えてさらっと炒めれば…

プーニムパットプリックタイダム/ปูนิ่มผัดพริกไทยดำの完成です!

このタイ料理もまたご飯がススム君。そして「タイ料理の甘み、辛味、酸味が入り混じったあの複雑な感じが苦手で…」という方も、このお料理を食べたら必ずや「おいしい!」と言ってくれるはずです。

タイのホムデン(紫色の小さなたまねぎ)の代わりに普通の玉ねぎを使ってもよいでしょうし、プーニムは先にも書いたように、ほかの海鮮に置き換えてしまえば材料を揃えるのも簡単!(個人的にはエビとベビーホタテの組み合わせがおすすめです。あ、イカもおいしいですよ。)

こうして書いていて思いましたが、この黒胡椒炒め、実はタイ料理ビギナーさんにぴったりかと。興味を持った方、ぜひぜひ作ってみてください。

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7)調味料・香辛料

ガピ(กะปิ)

タイの発酵エビ味噌「ガピ」

「オキアミ」というごくごく小さなエビを塩漬けし、発酵させたタイの調味料「ガピ」。このボトルのラベルにあるように「シュリンプペースト」とも言われ、発酵食品ならではの独特な強い香りがします。ただニオウだけではなく天然アミノ酸を含むため、しっかりとしたうまみもあり、タイ料理には欠かせない調味料の一つです。

「ガピ」は東南アジア各国共通の呼び名らしいです。

「ガピ」という言葉はビルマ語の「 ငါးပိ ( ngapi )」に由来するそうで、ビルマ語では「魚のマリネ」的な意味だとか。

さらに、表記は違えどラオス、カンボジア、インドネシアでも「ガピ」と呼ばれているようです。マレーシア、ベトナム、フィリピン、中国の福建省でも呼び名こそ異なるものの、同じ調味料が使われているんですって。これは興味深い。いつか「ガピ」にフォーカスして、ガピを使ったお料理を食べ歩く旅とかしてみたいなぁ。

「ガピ」の代わりに「アンチョビ」か、「アンチョビ」の代わりに「ガピ」か。

さて、この「ガピ」ですが、タイ食材店や、輸入食材を取り扱うお店が近くにあるなら別ですが、普通はなかなか手に入りにくいものかと思います。

以前、あるタイ料理の先生から「ガピが手に入らなければアンチョビで代用してもよいですよ」と教えていただきました。でも、タイ料理を日常的に作る我が家の冷蔵庫には必ずガピが入っています。ということで発想の転換。以来私は、レシピに「アンチョビ」とあったら、その代用品として「ガピ」を使っているのですが、割といけますよ。

ガピはこんなタイ料理に使います。

オキアミの目が見えますね。黒い点々がそうです。このことから、タイ料理好きな友の一人はこのメーカーのガピを「目玉のガピ」と呼んでいます。という超個人的な話題はさておき…。

ガピはタイカレーペーストの原材料の一つです。身近にタイカレーペーストがある方は裏面の表記をご覧ください。他には各種ディップ(ナムプリック)だったり、スープだったり、炒め物に加えることもあります。

個人的に「ガピを使ったタイ料理」と聞いて一番に上げたいのはこちら、料理名にも「ガピ」とあるタイ式の混ぜご飯。ガピの味がほかのどのタイ料理よりも前面に出ていて、かつ美味しく味わえるヒトシナかと思います。激しくお勧めしたいタイ料理です。とはいえ、これを食べることのできるタイ料理店って、なかなかないんですよね(涙)。

私が仕事帰りにサクッとおいしいタイ料理を食べたいときに立ち寄る「ハンサム食堂」さんでは、ごくたまーにこのカオクルックガピを出してくれますので、そのチャンスに巡りあえましたらぜひ、逃さず食べてくださいませ。

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7)スイーツ・ドリンク

タイの黄金の菓子、三兄弟。「トーンイップ(ทองหยิบ)」「トーンヨート(ทองหยอด)」「フォイトーン( ฝอยทอง)」

タイの黄金(トーン/ทอง)菓子は背徳感の塊でした。

トーンはタイ語で「金」を意味しますが、その金色をしたこれらのお菓子はお祝いの席や伝統行事の際に食されるとのこと。

ちなみに私とこのお菓子の出会いはいつもの東新宿のアジアスーパーストアにて。レジ前の手作りタイスイーツコーナーが大好きで、目新しいものを見つけると買ってしまうのはもはや習慣です。

で、試しに買って食べてみたら、「鶏卵素麺」の味がするではありませんか。特に「フォイトーン」なんて、鶏卵素麺そのもの。これはぜひ作ってみたいな…とこちらのレシピ本をみたところ、ありましたレシピ。

あったのですが、材料が恐ろしすぎて。作り方をざっくり説明すると、卵黄を濃度の濃い砂糖水を沸騰させたもので茹で、茹で上がった卵黄をさらに濃い砂糖液に漬け込む、というもの。知りたくなかった、知らなければよかった真実。。。一口かんだ時にじゅわっとしみだす甘い液体は砂糖そのものだったと気が付いたわけです。

ということで、自分で作るのは怖すぎるので、代わりにこちらの動画をご覧ください。

フォイトーン( ฝอยทอง)

日本の「鶏卵素麺」はポルトガルから伝来した南蛮菓子の一つだそうですが、作り方もまったく同じ。何でも日本出身の方がアユタヤ朝時代にタイに渡り、伝えたのだとか。どうりで同じなわけだ。

このお菓子、そのまま食べるだけではなく、こんな風にタイプリンに乗っていることもあります。

「甘い×甘い」、とにかく甘いこちらのお菓子。時々無性に食べたくなります。

トーンイップ(ทองหยิบ)

花形がかわいいこちらのお菓子は、先に紹介したフォイトーンが卵黄のみで作るのに対して、材料に米粉が入ります。

https://www.youtube.com/watch?v=rh66yF03J0s

作り方は卵黄と米粉を混ぜ合わせて作った液を沸騰させた砂糖水に、丸くなるよう形作って落とし、数分煮たら取り出してバットに広げ、熱いうちにカップに入れてこの花の形を作ります。

トーンヨート(ทองหยอด)

「トーンヨート」も「トーンイップ」と同じく、卵黄と米粉から作りますが、「トーンイップ」よりも加える米粉の量が多めです。そのため、出来上がった卵黄液が固めで、茹でる際にしずく型を作ることができるようです。

トーンエーク( ทองเอก )

最後に、タイの黄金菓子シリーズにもう一つあるのを見つけました。こちらはココナッツミルクが入ることから、また少し趣が異なるようですが、せっかくなのでご紹介まで。

次にタイに行ったら、タイのお菓子を食べまくる日を作ってみたいけれど、こうも甘いと果たしてどれだけ食べられることやら。途中で白目をむきそうです。

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6)スープ・カレー

ポテーク(โป๊ะแตก)

魚介テンコ盛りのスープ?煮物?が「ポテーク」です。

ポテーク(โป๊ะแตก)、またはトムヤムポテーク(ต้มยำโป๊ะแตก)は海の幸がこれでもか!と入った汁物です。もしくはつゆだくの煮物と表現してもよいかもしれません。

テーク( แตก )は「壊す」という意味のタイ語ですが、ポ( โป๊ะ )は網だよ、とタイ料理の先生方に教えていただきました。つまり、網が壊れるぐらいたくさんの魚介類が入ったお料理、という意味なんだとか。

個人的に「 ポ( โป๊ะ ) 」が何かをきちんと知りたくて「 โป๊ะ 」で検索すると、違法漁業のニュースばかりが引っ掛かり、肝心の説明が見つからない。それでも諦めずにPCと睨みあっていたところ、ようやくこちらのサイトにたどり着くことができました。

https://onl.bz/GSPst9k

このページの下のほう、

このライン部分に「ポ」の説明があるのですが、潮の流れがある河口や海に仕掛けておいて、魚やエビ、蟹などを捕まえるための漁具だそうです。ライン部分の最後のほうにはマナガツオ、イカ、鯵、カマス、モトギス、ワタリガニ、小エビなんかがとれるよ!と書いてあります。

「 ポ( โป๊ะ ) 」 がわかってすっきりしたところで、ポテークの作り方です。

ポテークの材料と作り方。

お鍋に材料をどんどん放り込んでいくだけの簡単レシピ。

この動画は食材から丁寧に紹介してくれています。作り方も、食材一つずつ煮ては取り出すところが、私が習った作り方と似ています。

今回のポテークの材料はこちら。

鯛の頭は完全にスープの出汁要員です。鯛の骨が入ると魚介のスープのうまみが数割増しになるのでやめられません。しかもアラだから安いし。

まず鯛のアラを煮て出汁を取ったら、

ペースト状にしたタイハーブを加えてさらに煮込みます。もう良いかな、というところでキッチンペーパーを敷いたザルでスープを濾し、アラなどは取り除いちゃいます。

アラとはいえ、こちら、素敵なごちそうです。身をほぐしてとっておき、ナムチムタレーを添えれば酒の肴のできあがり。ちなみに、そのナムチムタレーですが、May先生のレシピ本、

こちらの31ページに乗っているレシピがおすすめです。余談をだいぶ挟みましたが、ここまで来たらゴールは間近。

魚介類を一品ずつ茹でてベストなタイミングで引き揚げ、器へ盛り付けていきます。

最後にレモングラス、バイマクルー、カーを入れて煮立たせ、ハーブの香りが出てきたところで熱々を器に盛り付け、タイハーブをちらせば…。

完成です!最後に加えるホーラパーの香りもよく、極上のタイスープの一つです。日本だったら季節ごとに出回るお魚が違うから、旬の魚介類で春夏秋冬、それぞれのポテークを作っても面白いかも。今年やってみよう。